毎月JAFから届く冊子「JAF MATE」の鴻上尚史さんのコラムに、このような一文がありました。
「幸福とは、結局、自分が『何を幸福だと思うか?』ということを見つけることなんだ」
「こんな庭を見せるのは恥ずかしい」とか「周りの人は評価してくれるだろうか?」とか、自分ではなく「周りの人がどう思うか?」を、自分の幸福の基準にしがちではないか
SNSなどの評価を気にすることが当たり前となってきた時代は(中略)他人が「いいね」を押すとかフォロワーの数が何人になったかではなくて、「自分はいったい、幸福とは何だと思うんだろう」とゆっくり見つけることが大切だと思うのです。
引用:JAF MATE2・3月号「幸せって何だろう」vol.38より
鴻上さんのこの幸福論、私が山コーヒー活動を数年続けて自分なりの「幸せの一杯とは」に気づいたときの感覚とほとんど同じでした。
山コーヒーを始めた当初はyoutubeの数字などを見て一喜一憂していましたが、自分なりの答えが見えてきた段階で「数字を気にしすぎると幸福から逆に遠ざかってしまう」と感じ、活動はマイペースになっていきました。数字が伸びなくても、減っても、特に気にしていません。登りたいときに登り、撮りたい時に動画を撮っています。
今はたぶん、昔よりもっと心に美味しい山コーヒーが淹れられると思います。
私が「至福の一杯」を楽しむために心がけている3つのポイント
自分なりの「山コーヒーの楽しみ方」が確立できてきた段階で当サイトの「山コーヒーについて」の情報をぜんぶ書き直さないといけないのですが、かなり本腰を入れて取り掛からないといけないため後回しになっています。
長々と書いても逆に伝わりにくいので、わかりやすいところで3点挙げると、「他人の評価を気にしない」「味や道具にこだわり過ぎない」「絶景を求めすぎない」が大事だと考えています。
①他人の評価を気にしない
人に評価されたい、すごいと言われたいという動機が強すぎると、第三者からの反応が悪くなれば山コーヒーが楽しくなくなります。
他の誰かから評価されたいために山コーヒーをするのもいいのですが、ある程度満たされたなら「自分自身が楽しい」「やりたいからやっている」を追求していくと幸福度は高まります。
②味や道具にこだわり過ぎない
「街のコーヒーは舌で味わい、山のコーヒーは心で味わう」をモットーとしている私としては、味にこだわり過ぎると山コーヒーの魅力を損なってしまうと考えています。
せっかくなら美味しいコーヒーを味わいたいという人が多いと思いますが、大切なのは自分の心とゆっくり向き合う時間。コーヒーの味はほどほどで十分です。
また、写真映えの良い「カッコいい道具」「最新の道具」を使えばSNSなどで他人からの評価を高めることができますが、道具についても自分自身が「今日はこれを使おう」と思った道具や思い入れのある道具などで十分です。
個別パックのドリップコーヒーバッグでも、インスタントコーヒーでも、至福の一杯は味わえます。
③絶景を求めすぎない
ここまで説明すればもう何となくわかって頂けるかと思いますが、山コーヒーと座禅が近いものと考えると、「絶景」があってもなくてもいいものとなります。
絶景に出会うこと前提で山コーヒーをすると、悪天候で期待通りの景色が望めなければ「失敗」「不満」の一杯となってしまいます。
山霧のガスに包まれ思っていた景色に出会えなくても、山頂まで行けずに途中で下山したとしても、すべてをあるがままに前向きに肯定して受け入れて一服を楽しめば、それは「至福の一杯」になります。
まずは好きなように純粋に山コーヒーを楽しむのが良いと思います。
以上、わたくし青山が「至福」を感じるために心がけている3点をご紹介させて頂きました。
あくまで私自身の至福の一杯のための考え方なので、人によって「何を幸福と思うか?」は変わってくると思います。
まずは純粋に、自分なりの「至福の一杯」を探しにいくのをおすすめします。
安全は十分気をつけて、人生の思い出に残る山コーヒーをお楽しみください。
幸福のヒント (だいわ文庫) – 2018/10/12
鴻上尚史 (著)
■山コーヒーの導入に使えるアイテムはこちらで紹介しています。