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登山でコーヒーを楽しむ事を「山コーヒー」と名付けています。

 

楽しみ方や流儀は人それぞれありますが、私なりの「山コーヒー」はこんな感じです。

 

 

 

 

 


 

【勝ち負けの概念から解き放たれる、山コーヒー】

 

立山で山コーヒー

 

 

登山の多くは山頂到達や絶景を見る事を目的にしています。ですが体調や天候が悪化した場合、山頂に辿り着くことは困難になり、絶景もまた天候が崩れると目にする事はできません。

 

山頂のみが目的であれば、そこに到達できなければ「撤退」「敗北」となります。

 

 

 

絶景だけが目的であれば、それが見れなければ「失敗」「無駄足」になります。

 

ですが、「山コーヒー」を目的にすれば、何らかの原因で山頂に登れなくても麓で山を眺めながらコーヒーを飲めば目的は達成されます。絶景が見られなくても、美味しいコーヒーがあれば充実感をもって自然界の無常感を楽しむことが出来ます。

 

 

 

山コーヒーは、失敗も敗北も無い登山の楽しみ方です。

 

山頂が全てではない、絶景が全てではないという楽しみ方を通じて、現代社会の勝ち負けの呪縛から解放され、本当の意味での非日常・心の平穏を感じる。

 

 

 

それが山コーヒーの魅力だと思っています。

 

 

 

 

 


 

【山コーヒーの楽しみ方♯1 いつもと違う環境を楽しむ】

 

 

 

アウトドアで飲むコーヒーは何故か美味しく感じるのですが、その理由のひとつは「転地効果」だと思われます。人間はいつもの環境とは違う環境に置かれると、動物的本能により危機感を感じて五感が鋭くなります。林間キャンプのカレーや山頂でのカップラーメンが美味しいのは、この本能・心理効果が作用していると考えられます。
エアコンで快適な温度が常時保たれている室内ではなく、自然の気候の熱さ寒さに自律神経を駆使して適応する。エレベーターやエスカレーターに頼るのではなく、自らの足を動かして山を登る。視界のきかないコンクリートのビル街ではなく、空や森が一望できる大展望。排気ガスの臭いの無い、緑の香りに満ちた空気。
変化に富んだ自然環境に身を置く事で五感は冴え、心に響くコーヒーを味わう事ができます。
また、いつもと違った手間のかかる淹れ方をしたコーヒーも非日常感を更に高めてくれます。お湯で溶かすだけのインスタントやボタンワンプッシュで出来あがるコーヒーではなく、わざわざハンドドリップでコーヒーを淹れたり、焚き火で時間をかけて湯を沸かしたり、生豆から焙煎したりすると、その効果は更に高まります。

 

 

 

 

 


 

【山コーヒーの楽しみ方♯2 コーヒーにはその山の湧き水を使う】

 

 

 

ミネラル成分が多い山の湧き水は、実際のところコーヒー成分が十分に引き出せない可能性が高いです。ただ、心に響く山コーヒーを味わうなら、出来れば山の湧き水を使いたい所です。
その理由は、その山の湧き水を飲む事で自然との繋がりをより強く感じることが出来るからです。人は水無しでは生きていけない。水をたくわえる山や森がなくては生きてはいけない。人は自然によって生かされているという事を身をもって感じられるのも山コーヒーの醍醐味だと考えています。

 

 

 

 

 


 

【山コーヒーの楽しみ方#3 コーヒーブレイクはゆったりと楽しむ】

 

 

 

コーヒータイムはたっぷりと1時間は確保したいです。時計を見ずにくつろぐくらいの余裕をもったスケジュールが理想です。
風に吹かれながら、本を手に読書を楽しむ。景色を眺めてまどろみながらコーヒーを楽しむ。
「山ならではの時間の流れ」が、コーヒーの味わいをより引き立たせてくれます。

 

 

 

 

 


 

【山コーヒーの楽しみ方#4 心の舌で味わう】

 

 

 

一緒に山に登った友人にふるまって、周りの登山客にふるまって、美味しいねと笑顔を交わす。コーヒーによって生まれる笑顔が、「コーヒーの味を越えた、思い出の味」を生みます。
また、その時の人生の状況もコーヒーの味わいを左右します。仕事に疲れた時、悩み事を抱えた時、人生の大きな分岐点に差しかかった時。山に登って豊かな景色を眺めながらコーヒーを飲むと、複雑にからまった糸がほどけていくように、思考が整ってきます。
「コーヒーを飲む事」と「自然の中を歩くこと」はうつ病対策として推奨されています。心の風邪を引きかけている方は、是非心を癒す山コーヒーを味わって頂けたらと思います。
この他にも、例えば「亡くなった親が生前好きだった山に登っての山コーヒー」や「がんが見つかって入院治療をする前に登山をしたいと願った親友との山コーヒー」なども、コーヒー以上の味がする心の一杯となりえます。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

以上が充実した山コーヒーを楽しむための抑えておきたいポイントです。
街のコーヒーは舌で味わい、山のコーヒーは心で味わう。
現代人の心に、潤いと喜びをもたらす山コーヒー。

 

 

 

都会の生活で心が渇いてきた人には是非ともご体験頂ければと思います。
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青山
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