2023年4月1日から始まった自転車ヘルメット着用の義務化。
今までは「13歳未満の幼児や児童に着用させること」という内容でしたが、これからは自転車に乗る人すべてにヘルメット着用義務が発生します。
昔買ったスポーツバイク用ヘルメットは経年劣化のため処分。街乗り用の自転車ヘルメットを新調するか…と、amazonや楽天で売れ筋商品を探す。
ふと、登山用ヘルメットは自転車用として使うことができるのか?という疑問がわいてきました。
登山・クライミング用ヘルメットも自転車用と同じく軽量。落石対策・落下対策で強度も優れています。また、岩壁をよじ登る時に上を向くため後頭部が干渉しにくい形状になっており、この点もスポーツバイクの「前傾姿勢での上向き」と同じです。登山と自転車で共用できるならコスト減になります。
共用しても問題はないのでしょうか。自転車用・登山用ヘルメットの性能差などを調べてみました。
目次
自転車用と登山用の安全規格(安全基準)試験の違いについて
自転車用のヘルメットと登山用ヘルメットで、それぞれ安全規格が異なります。
自転車ヘルメットには色々規格があり、JIS規格の自転車用ヘルメット(JIS-T8134)では「衝撃吸収性は,前頭部,後頭部,側頭部及び頭頂部を保護するものとする」「試験を行ったとき,人頭模型の重心の衝撃加速度は2,940 m/s2(約300G)以下」で合格となっています。
試験内容は「1.5mの高さからヘルメットを被った人体模型の頭(4kg前後)を時速約20kmで固い台に落とす」というもの。
※JCF(日本自転車競技連盟)の安全基準も同じような試験内容・基準でした。
登山ヘルメットの規格「EN12492」「UIAA106」の規格試験内容について
引用:PETZL「ENHANCED HELMET PROTECTION」
続いて、登山用ヘルメットの国際規格・EN12492またはUIAA106はどうでしょうか。
内容は、「5kgの重りを2mの高さから落とした時の内側への衝撃が10KN(8KN)以下」「5kgの重りを50cmの高さから側頭部、前頭部、後頭部へ落下させた時の内側への衝撃が10KN(8KN)以下」となっています
衝撃や力については細かい条件で変わるため、換算や比較が非常に困難です。
ざっくりとしたイメージで自転車用と登山用を比較すると
ヘルメットの耐久性、自転車用と登山用を単純に言葉で比較すると、
■自転車用ヘルメット
「ママチャリ爆走で電柱に頭からぶつかっても生きている」
■登山用ヘルメット
「女性用の11ポンドのボウリングの玉が2m上から頭にあたっても生きている」
くらいの衝撃吸収力がある、という感じです。
なお、SGマークを認証する一般財団法人 製品安全協会の「自転車用ヘルメットQ&A」では「設計が異なるので自転車用ヘルメットを着用してください」と返答しています。
Q5:工事現場で被る産業用のヘルメットを持っているのですが、それを自転車乗車時に使ってはいけませんか?
A:産業用ヘルメットは、上から落下してくるものに対して防護するための製品ですが、自転車用ヘルメットは、転倒時に頭部が路面に衝突する際の衝撃を緩和するためのもので、設計が異なります。自転車に乗車時は、SGマーク付きの自転車用ヘルメットを着用してください。
何も被らないのに比べたら登山用ヘルメットを被ったほうがいいのですが、もしもの事故を考えると自転車用を選んでおくのがより安全です。
まとめ:自転車用のヘルメットを買いました
私としては登山用のヘルメットで自転車に乗りたかったのですが、自転車事故で発生しがちな「時速20kmでの頭部激突」から頭を守れるという実験データが決め手となって自転車用を買いました。
日本のヘルメットメーカー・OGK KABUTOの人気街用ヘルメット、「キャンバスアーバン」です。
オージーケーカブト(OGK KABUTO)
キャンバスアーバン
なお、SGマーク認定ヘルメットの説明書には「乗車用ヘルメットの有効期限は購入後3年です」と書かれています。中古のヘルメットも多く出回っていますが、経年劣化で性能が落ちるのでできるだけ新品の購入をおすすめします。
追記:ドイツ製のライト付きヘルメットも人気です
uvex(ウベックス)
city 4