登山用テントは、遠くからでも見つけやすいようにオレンジや黄色のものが多く販売されています。
特にオレンジ色はレスキューの現場などで「暗くなっても、視界のきかない中でも一番目立つ色」として採用されています。

ただ、このオレンジや黄色には虫を引き寄せてしまうというデメリットがあります。
先日ツイッターで「ビニールプールに虫が浮いてる事が多く、調べたら虫を呼び寄せる色だった。プールは黄色、テントはオレンジ。最悪の組み合わせ」という内容のツイートが回ってきました。
その一連の流れで紹介されていた実験結果をご紹介します。
目次
「虫は何色に誘引されるか」という実験の結果
引用:大成ファインケミカル株式会社「虫は何色に誘引されるか?」
試験を行ったのは大成ファインケミカル株式会社。
「食品製造現場にある黄色系の防虫対策用カーテンシートが逆に虫を誘引してるのでは?」という疑問が発生し、調査することに。
試験ではイエロー・オレンジ・レッド・グリーン・ブルー・ブラックの各色の布をダンボール箱にかぶせて粘着シートを張り、2m間隔で円形に配置。
夏の2日と秋の2日の計4日間で何色の箱にどれだけの虫が集まるかを調べました。
引用:大成ファインケミカル株式会社「虫は何色に誘引されるか?」
その結果、イエローとオレンジが群を抜いて虫を引き寄せたことがデータで判明しました。

登山用テントは何色がいいのか?
PuroMonte(プロモンテ)
ライトウェイトアルパインテント VL-26
このことから「虫が苦手だ、1匹でも接触を少なくしたい」という人は、青色のテントを選べば虫の接近を減らすことができると考えられます。
ただ、テントを遠くから発見しにくくなるのは登山の危機管理面において得策ではありません。
「山岳地帯・雪山での使用が多いなら黄色やオレンジ」「山小屋近くのテント場やキャンプ場など安全な場所がメインなら青などの色」と、用途によって使い分けるのが良さそうです。

NEMO(ニーモ・イクイップメント)
ホーネットストーム
虫対策①:テント内への虫の侵入を防ぐために気を付けたいこと
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テント内に虫が入り込むと、追い出すのに手間がかかります。
マットや寝袋が黄色やオレンジだったりすると虫が入ってきやすくなるので、虫の侵入を減らしたいなら別の色を選ぶのが良いと思われます。

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虫対策②:テントの外に囮(おとり)アイテムを置く
農業の分野では黄色の粘着シートで虫を捕獲したり、黄色いバケツに水や油などを張って虫を駆除したりなど、色の特性を活用して虫対策を行っています。
ただ、山の自然のなかで虫の捕獲シートを使うのは環境破壊につながるおそれがあります。
黄色のバンダナなどをテントから少し離れた所の木などに結んでおけば、虫を駆除することなく遠ざけることができます。

[まとめ]できれば虫を避けたいという人は黄色・オレンジを避けるのが賢明です。
虫を追い払うのが面倒な人は、テントを買うときは実験結果を考慮して色を選んで頂ければと思います。
なお、注意すべきはテントだけでなくアウターウェアやザックに関しても同じです。
これらの登山用品も、虫の多い低山と高山・雪山で使い分けるのが理想かもしれません。
