富士山の人気登山ルート・山梨県側の「吉田ルート」は、今年から1日3000人までの通行予約システムが運用されます。
予約するにあたっての手数料(通行料金)は2000円です。
● 富士登山オフィシャルサイト:【吉田ルート】山梨県富士山吉田ルート通行予約システム
https://www.fujisan-climb.jp/info/20240510_yoshida_trail_reservation.html
● TBSニュース:富士山「通行料2000円」高い?安い? 事前予約など新ルール導入で混雑や“弾丸登山”を防げるか【ひるおび】
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1171018
富士山保全協力金1000円は任意ですが、この通行料は「義務」です。
この通行料、問題になっているのがもし病気や急な予定変更で富士山に行けなくなった場合、キャンセルしても返金されないという点。
この点について思ったことや、問題の解決方法などについて私見を述べていきたいと思います。
予約料金の金額について(海外との比較)
まずは予約料金・通行料の2000円について。
この金額設定についてはまったく問題ないと思います。
世界の観光地の山では入山料があるのが当たり前。例えば台湾最高峰の玉山(新高山)の入山料は480元(10345円)で、ハワイ最高峰のマウナケア山は15$~30$(約2300~4600円)です。
金額については妥当といえます。
なぜキャンセル返金不可なのかを考えてみた
富士山通行予約で話題になっているのが、キャンセルについて。
本人都合・悪天候などで予約をキャンセルした場合、先払いで支払った2000円は返金されません。
なぜ返金不可なのでしょうか。おそらく、「複数の日程を予約しまくって、確実に行ける日以外は全部キャンセル」という登山者を抑制するのが狙いなのだと思います。
この「重複予約」は登山の山小屋予約でもよくある迷惑行為です。
富士山は「御来光」を目的にしている人が多いので、登山当日が雨予報なら予約キャンセルする人が多いと予想したのだと思います。
とはいえ、天候を理由にキャンセルを受け付けたら事務手続きが煩雑になってしまいます。
いっそ「返金不可」としたほうが、登山者数をほどよく削減するのにちょうどいいのかもしれません。
富士山の返金不可よりも厳しい、ヨセミテ・ハーフドームの予約システム
富士山の返金不可問題ですが、海外に比べると優しいかもしれません。
アメリカのヨセミテ国立公園にある人気の名峰「ハーフドーム」。ここに登るためには抽選の申し込みで当選しなければいけません。
抽選には10$(約1500円)かかり、抽選申し込みの代金は外れても返金されません。
しかも当選確率は約10%。何回も応募してようやく当たるかという倍率です。
富士山の「2000円キャンセル返金なし」は、有料抽選のハーフドームに比べたら「予約が取れた段階でお金を払うだけマシ」といえます。
まとめと妥協案について
富士山の予約システム、今は山梨県の吉田ルートだけですがいずれは全ルートで実施されるのではないかと思います。
入山料の2000円は絶妙な数字で「富士登山者の5割は吉田ルート」を分散させるのによさそうです。
個人的にはキャンセル返金不可がちょっと手厳しいので、妥協案として予約キャンセルをした人限定で「山は逃げない!」と書かれた富士山公式手ぬぐいをシーズン終了後に送る、などすればネタにもなって納得できるのではないかと思います。
山梨県のご担当者様、是非ご検討頂ければと思います。
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