長時間の映画やライブでのトイレ対策で餅を食べる件、SNSでも話題になっています。
餅は糖質(グリコーゲン)を多く含み、糖質はその3倍の量の水分と結びつく性質があるため、大福1個(糖質約60g)でトイレ1回分相当(約180ml)の排尿量を減少させる可能性があるという説です。
しかし、この「餅でトイレ対策」で注意したいのが、食べ過ぎ。「絶対にトイレを我慢したい!」と意気込んで餅を急いで何個も食べると、腸閉塞になってしまう恐れがあります。
医療関係の記事や論文などをご紹介したいと思います。
目次
医師会のブログでの餅食べ過ぎ注意喚起
まずは、福岡県にある一般社団法人・小郡三井医師会様のブログをご紹介します。
令和4年3月分の「病気と健康の話『お餅に注意』」にてこのように述べられています。
お餅ですが、のどに詰まらず無事に飲み込めればひと安心、、、ではないことがあります。実は、腸の中で詰まってしまい、食べ物が通らなくなる「腸閉塞」の原因となることがあるのです。(中略)
お餅はもち米のデンプンであるアミロペクチンで出来ており、溶解しにくいこと、熱を加えると柔らかくなるが冷えると固く粘着性が増すなどの特性があります。(中略)徐々に温度が下がってくるとのどや腸で詰まりやすくなる理由となります。
餅を食べることによる腸閉塞(イレウス)は医療関係者の間では有名なようで、餅をよく食べる1月に発生しやすい症状だそうです。
餅と腸閉塞(イレウス)についての論文
餅を食べて腸閉塞になった症例についての論文をいくつかご紹介します。
■JSTAGE「餅により消化管障害(イレウス,潰瘍)をきたした8症例の検討」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nisshoshi/110/10/110_1804/_pdf/-char/ja
■JSTAGE「餅摂食による腸閉塞の 1 例」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaem/39/1/39_113/_pdf/-char/ja
■JSTAGE「保存的に軽快した餅による食餌性腸閉塞の 1 例」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaem/39/1/39_113/_pdf/-char/ja
腸閉塞になった場合の症状と治療について
餅で腸閉塞になった場合、主な症状としては強い腹痛・吐き気・嘔吐が見られるそうです。
治療法は、
・絶食
・点滴
・消化酵素複合剤を飲んでアミラーゼを分解する
・鼻からチューブを挿入して胃の圧力を減らして吐き気を抑える
などの処置がされるとのこと。前述の論文内では数時間で回復し、3日で退院するケースがありました。
餅での腸閉塞を予防するための対処法
餅で腸閉塞にならないために、何をすればいいのでしょうか。推奨されている行為が2つあります。
1つ目は、十分に噛んで餅を食べること。餅に唾液中のアミラーゼとしっかり混ぜ合わせることで、デンプンを分解しやすくします。
2つ目は、消化に良い大根おろしなどを一緒に摂ること。大根はジアスターゼというでんぷんの分解・消化を促す消化酵素があります。
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腹痛が心配な人は是非餅以外の高糖質食材を
以上、餅トイレ対策の腸閉塞リスクについてのお話でした。
最近胃腸の調子がいまいちだという方は、映画・ライブ前に急いで大量の餅を食べ過ぎないようご注意ください。
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