噂の腰ベルト付きの軽量ランドセル「ERGORANSEL(エルゴランセル)」、試着用のランドセルをレンタルしました。
まるで登山リュックのようなショルダーベルトとウエストベルト。背面にもクッション性と通気性の高い素材が使われています。

実際に子供に背負わせたり小学生の子供がいるママ友さんにも試着協力してもらい、良かった点や「もうちょっとこうだったらいいな」という点が見つかりました。
詳しくレビューしたいと思います。
※注:メーカー様から紹介料は頂いていません。腰ベルトランドセルの普及でランドセル症候群の子どもが減ることを願って記事を書きました。
エルゴランセルの素材・重さ・サイズ・機能などについて
お借りしたのは「オールブラック」。カラーはこれ以外に「ブラックxブルー」「ブラックx迷彩柄」「レッドxピンク」と全4種類あります。
エルゴランセルの素材についての感想
本体:コーデュラナイロン1000D
カブセ:人工皮革(帝人コードレ、タフガードライト)
内装生地:VIROBLOCKリサイクルナイロンリップストップ(抗ウイルス、抗菌加工)



エルゴランセルの重さについての感想
エルゴランセルの重さは、1090g。(腰ベルトを外すと1020g)
ランドセルの重さの平均は1100~1300gなので軽量な部類に入ります。

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エルゴランセルのサイズについての感想
外寸:カブセ幅26cm、カブセ長さ45.5cm、高さ33cm、奥行き21cm
内寸:横幅24cm、高さ32cm、マチ12cm(総マチ14.5cm)
*A4フラットファイル対応サイズ

エルゴランセルのマグネットロックについての感想
カブセには特徴的な回転式マグネットがついています。
ダイヤルを回転させると簡単に開けることができ、フタをするときもくぼみに合わせるだけで閉じてくれます。
従来の「ランドセルを倒して底に手を入れてロック解除」という手間が減り、金属が目立つので遠くからの視認性も高まります。
側面にロック機構を配したことで、底部は安定して地面に置きやすい作りになっています。

エルゴランセルの側面ポーチについての感想
本体側面にオプションの専用ポーチを付ければ荷室を増やすことができます。ちょっとミリタリーリュック感が出ます。
ポーチのサイズは幅12cm×高さ32cm×奥行き6cm。水筒は余裕で入りますし、直径9cmの缶も入りました。

エルゴランセルの特に気に入った点、良い点
「腰で背負う」ことで重い荷物でも楽になる
エルゴランセルの魅力は、やはり登山リュックのようなショルダーベルトとウエストベルトをそのまま転用しているという点です。
ランドセルが重くて肩パッドを後付けしている子供が多いようですが、この肩ベルトならクッション性が十分にあって快適です。胸のチェストベルトも安定性に優れ、調整が楽で取り外しも可能。
そして、ウエストベルトは「腰で背負う」ことができ、肩への負担を分散させることができます。
これは私が登山で使っている山岳リュック。テント泊などで荷物が重くなったときにこれで行きます。
小学生が通学で背負っている重い日の重量を大人に換算すると約13kg。ちょうど登山のテント泊装備くらいの重さです。腰ベルト無しのリュックなんて地獄です、考えられません。

スタビライザーストラップで密着具合を微調整できる
そして、地味に素晴らしいのがショルダーベルトのスタビライザーストラップ。
これは登山リュックにもついているのですが、締めればランドセルを密着させることができ、重心が体に近くなって体の負担を大きく減らすことができます。

その他の気に入った点
● 時間割ポケットや反射材・防犯ブザー用フックなど、ランドセルの基本的な性能はだいたい備えている。
● 背中の当たる部分の作りが良い。
● ベルトパーツの精度が高く、低学年でもロックの開け締めができる。
● 肩ベルトが従来のベルト穴ではなくアジャスター式なのでミリ単位で長さを調節できる。
● ランドセルっぽくないのが良い
● 腰ベルトとチェストベルトは取り外し可能。荷物が軽い時は取り外せる。
● 体がぶれにくい設計が良い、走りやすい

エルゴランセルの欠点・不満点
エルゴランセルを試着して気付いた、欠点や「こうだったらいいのに」という点を挙げていきたいと思います。
もっと大容量でもいいのでは
● 容量が普通なのがもったいない。メイン収納部分の内寸・マチ(奥行き)12cmは一般的なランドセルと同じの平均的な数値。腰ベルトで重さに強いのだからマチ14cm~15cmくらいの大容量サイズが欲しい。
側面プラフックを変えたい
● サイドのプラフックがちょっと固い。1年生じゃ開け締めしにくい固さで、見た目的にも金属のフックが欲しい。

メッシュクッションのメンテナンスが心配
● 背当てのクッション部分は通気性・クッション性は抜群だけど、砂や泥が入ったら掃除が大変そう。一般的な革の背当てなら拭くだけで対処できるけど、メッシュは中まで洗うのが大変。

その他の感想や懸念事項
● カブセ裏の時間割ポケットが白メッシュなので細くて小さい字が若干読みづらい。
● ショルダーベルト調整の余り部分が輪っかになっている。引っ掛からないよう結ぶ手間がかかる。
● ナイロン素材を使用したランドセルは私が住んでいる地域ではまだまだ珍しい。
● 一般的なランドセルとデザインが違うので目立つのが心配。本体素材は全体的に革で、背負う部分だけナイロンというタイプがあると安心。

エルゴランセルはランドセル症候群対策の救世主
このエルゴランセル、正直な意見としては最初のランドセルとして買うのはちょっと勇気が要るなと感じました。
似たようなケースで、「スーツを着たビジネスパーソンの通勤リュック」も出始めはこんな感じだったように思います。
ビジネスパーソンが重いノートパソコンなどを持ち運ぶようになり、身体の歪みが問題になるようになってリュックが推奨され、通勤リュックは今では4人に1人と言われるほど普及しています。
しかし、当初は「スーツにリュックなんて変、ありえない」と世論はかなり否定的でした。

ただ、目立つとか浮くとか言ってられないのが「ランドセル症候群」の登場。最近ニュースでも取り上げられました。
毎日背負うランドセルが重すぎて、通学ブルーになる小学生が出てきているという。
小学校1年生から3年生を対象に、この秋行われた「ランドセルの重さに関する意識調査」。ここで約7割となる65.8%が“ランドセル症候群”に陥っている可能性があると判明した。
(中略)重いランドセルを背負うことにより肩こりや腰痛などを引き起こしてしまい、「学校に行きたくない」など心の面にも影響を及ぼす。
東京都内の整形外科医・高野勇人院長によると、ランドセル症候群の診察が増えているという。
ランドセル症候群は、実際に我が子が通学してみないと発症するかどうかわかりません。
そういう意味では、エルゴランセルは「子供がランドセル症候群になってしまった人のセカンドランドセル」としては最適です。ランドセル症候群で悩む子供の救世主になりえると思います。
また、予算に余裕のあるご家庭で、周りから浮くかもしれないのが心配なら「荷物が重い日用のランドセル」として普通のランドセルと合わせて2個買うのも良いのではと思います。

腰ベルト付きランドセルの普及を願います
成長期のわが子の身体が歪むのはできるだけ避けたいです。
腰ベルト付きの登山リュックを使い慣れている身としては、ランドセル症候群は腰ベルトさえあれば対処できると思います。
教科書のデジタル化が遅々として進まない今、エルゴランセルがもっと広く普及して、腰ベルト付きランドセルが一般化されることを願っています。

■ERGORANSEL(エルゴランセル)webぺージ
https://ergoransel.com/
【追記】チェストベルトだけでも多少は軽減できます
ランドセル用チェストベルト

【追記】応急処置的なウエストベルトもあります
クツワ
スターライン ランドセルベルト
