静岡県熱海市伊豆山地区で発生した大規模な土石流災害。現場は「土石流堆(どせきりゅうたい)」と呼ばれる、もともと土石流が発生して土石がたまって出来た場所でした。
土石流堆(どせきりゅうたい)
斜面上方の山崩れによって生じた土石あるいは渓床に堆積していた土石などが大量の水と一緒に渓流に沿って流下し(土石流),山麓に堆積して形成された地形.土石流堆の見られるところは,土石流による災害の危険性があります.
国土地理院地図での土石流堆の場所の調べ方
国土地理院のインターネットの地理院地図で「トップ > 土地の成り立ち・土地利用 > 土地条件図」で調べると、土石流堆の場所を調べることができます。
黄色地で「〇」印が泡のように付いているのが土石流堆。伊豆の被災現場はほとんどが土石流堆の土地でした。
この地理院地図の土地条件図は全国すべてを網羅しているわけではありませんが、一部地域なら調べることができます。
【リンク】地理院地図で土地条件図(「数値地図25000(土地条件)」)をみる
土石流発生の原因はソーラーパネル? Yahoo地図なら確認可能
熱海市によると、土石流の発生場所は約15年前に宅地造成で木を伐採して盛り土をした場所だったとのこと。宅地造成が原因で発生したと見られています。
ただ、インターネット上では「メガソーラー開発で山を開いたのが原因だ」という説も広がっています。
熱海の土砂災害現場から北西の山中にある平地。グーグルマップの航空写真ではソーラーパネルが表示されませんがYahoo!地図なら確認できます。
引用:Yahoo!地図 熱海市
※「地図の種類を変更」で「航空写真」を選んでください。
熱海市の土砂災害ハザードマップについて
今回の熱海の土砂災害現場は、ハザードマップでは「特別警戒区域・土石流(赤)」と「警戒区域・土石流(オレンジ)」「警戒区域・地すべり(緑斜線)」が混在していました。
災害時、熱海では72時間の合計雨量が800ミリに達していたそうです。ちょっと強い程度の雨でも長時間降れば、「特別警戒」ではない「警戒区域」でも土石流やがけ崩れが発生するかもしれません。
登山でも土石流には注意が必要です。
なお、2020年7月には九州最高峰のくじゅう連山で集中豪雨の影響による大規模な土石流・土砂崩れが発生しました。72時間の雨量は約600ミリでした。
雨が降り続いた山に登る場合は「土石流が発生するかもしれない」と想定して、登山の延期やルート変更を検討するのが望ましいと思われます。