買いました。2018年12月に発売されたsnowpwak(スノーピーク)の真空断熱マグ「ステンレスダブルマグ300」。
ボディ中央に「VACUUM STAINLESS STEEL」の文字が刻まれています。バキュームは「真空」を表しています。
今まで使っていたスノーピークのチタンダブルマグは二重構造でしたが「真空」ではありませんでした。そのためレビューでは「思ったよりも保温性能が高くない」などの感想コメントが見受けられました。
今回2つが揃ったので、ほぼ同条件でどのように温度変化するのか、保温性能を比較してみました。
(記事公開日:2019年1月28日)
(最終更新日:2019年1月28日 第3稿)
【ステンレス製なのに重さの差はわずか】
まずは重さを比べてみました。チタンのマグは93gで新しいステンレスマグは101g。その差はたったの8g。旧型のステンレスダブルマグや他社のステンレス製マグが200gくらいなので驚異的な軽量化です。
チタン信仰の強い登山界ですが、この重量差ならほとんど気になりません。価格も、amazonではステンレスの方が800円くらい安価です。
【保温性能・温度変化を調べてみました】
気になる温度変化ですが、計測条件は以下の通りです。
・場所は冬の屋外(マンションのベランダ)
・100mlの沸騰したてのお湯をそそぐ
・1分~10分、15分、20分で温度を計測
屋外は風の影響などがあるため完全に正確な比較ではありませんが、冬キャンプ想定のリアルな温度変化が計測できます。
外気温は7度前後。体をぶるぶる凍えさせながら計測しました。
また、シングルウォールとの差を比較するためにスノーピークのチタンシェラカップも比較対象に加えて、温度を計測しました。
【計測結果】
多少の時間の誤差はありますが、出来るだけ差が出ないように計りました。計測した温度は下記の通りです。
時間 | チタン | 真空ステン | シェラ |
1分 | 93.3 | 90.0 | 83.1 |
2分 | 83.2 | 85.9 | 74.2 |
3分 | 78.7 | 81.3 | 68.0 |
4分 | 74.9 | 77.6 | 62.9 |
5分 | 71.1 | 74.4 | 58.7 |
6分 | 68 | 71.4 | 55 |
7分 | 64.9 | 68.8 | 51.8 |
8分 | 62.3 | 66.5 | 49 |
9分 | 59.8 | 64.3 | 46.6 |
10分 | 57.9 | 62.5 | 44.2 |
15分 | 48.9 | 54.6 | 35.6 |
20分 | 42.1 | 49 | 29.9 |
真空ステンレスマグ、やはり真空だけあって保温性能が向上しています。5分後で約3℃の差、10分後では約5℃暖かいです。
グラフにすると、ステンレス真空マグはチタンに比べてわずかに温度低下がゆるやかです。シェラカップは口が広いのもあって温度低下が激しいですが、二重構造になっていないシングルウォールは火にかけられるというメリットがあります。ガスストーブが使えるなら重さ39.5gのチタンシェラカップが有利です。(マグに比べて約60g軽量化できます)
上記のデータから考えて、保温性・重さ・価格的に新型のステンレスダブルマグは「買い」だと思います。とにかくこの軽さは魅力です。値段もチタンダブルマグより安いのでステンレス真空マグユーザーはこれからどんどん増えてくるのではないでしょうか。
snow peak(スノーピーク)ステンレス真空マグ 300 MG-213
【スタンレーの真空マグと比較してみました】
これだけで終わってしまうと何だかスノーピークさんからお金をもらって記事を書いているような感じなので、他社製品も交えて計測してみました。比較対象は、先日友人からプレゼントしてもらったSTANLEY(スタンレー)の真空マグ0.23L。
このマグには飲み口付きの中蓋が付いているんです。外気に触れる面積が少ないので保温性能はかなり高いように思います。一番外側の蓋を使わず(完全密閉状態にせず)、屋外にて同じ条件で温度測定を行ってみました。
時間 | スノピ真空ステン | スタンレー真空マグ |
1分 | 90.0 | 92.8 |
2分 | 85.9 | 90.3 |
3分 | 81.3 | 88.5 |
4分 | 77.6 | 87.3 |
5分 | 74.4 | 86.2 |
6分 | 71.4 | 85.3 |
7分 | 68.8 | 84.4 |
8分 | 66.5 | 83.5 |
9分 | 64.3 | 82.8 |
10分 | 62.5 | 82.0 |
15分 | 54.6 | 78.8 |
20分 | 49 | 76.0 |
…蓋付きスタンレー、圧倒的です。完全密封状態でもないのに魔法瓶並みの保温力です。20分後でも76℃という驚異の保温力。蓋が付いているというのはこんなにも差がでるものなんですね。
ただし、スタンレーの真空マグの重さは241g。一番外側の蓋を外した状態でも188g。スノーピークのステンレス真空マグが101gなので約2個分の重さになります。
それでも、冬の7度の寒さの中で20分後でも76℃という保温力には目を見張るものがあります。また、スタンレー真空マグの価格はamazonならスノーピークのステンレス真空マグより約800円安いです。
取っ手は付いていませんし、洗うパーツが多いのが面倒で、飲むときに一番外側の蓋の置き場所に困ったりしますが、比較した商品の中で冬キャンプにおすすめの保温マグはスタンレーの蓋付き真空マグだと言わざるをえません。
(追記:スノーピークのチタンダブルマグには別売りで飲み口のあるフタがありますが、新型ステンレスマグ専用の蓋はまだ無いようです。発売されたら入手して再測定したいと思います)
以上、スノーピークの新商品・真空ステンレスダブルマグの温度比較検証でした。基本的には好みのブランドで揃えると気分が良いので、スノーピークが好きな人はスノーピークのマグを選ぶのが良いかなと思います。私は冬の山コーヒーはスタンレー、春~秋の山コーヒーはスノーピークといった感じで使い分けようと考えています。
【amazon】STANLEY(スタンレー) 真空マグ 0.23L
【amazon】snow peak(スノーピーク)ステンレス真空マグ 300 MG-213
【amazon】snow peak(スノーピーク)チタン シェラカップ E-104