10月25日の読売新聞に視覚障害者と一緒に登山を楽しむ全国の市民グループがサポート役の不足に悩んでいるという記事がありました。要因のひとつは会員の高齢化。調べてみるとこのサポーター不足問題は6年くらい前にも別の新聞記事で取り上げられていました。
視覚障害者1人につき2人の同伴サポートが基本となっているのですが、晴眼者(健常者)の人数が揃わないため障害者の参加を断ったりツアー自体が中止になったりしているそうです。
現在サポーターの中心は60~70代。昔は難しい山に挑戦してテント泊で炊飯もしていたとの事ですが、高齢化とサポーターの人数不足により遊歩道のある安全な里山歩きをメインに開催している団体も多いようです。
【登る目的が薄れてきた人はサポート協力をしてみては】
目標にしていた富士山に登った、屋久島に登った、登りたい山はある程度登った―。満足の行く登山を終えてひと段落すると、登山に対する熱量や目的意識が薄れてしまう人も多いと思います。そういった人にとって、困っている団体の助力になるのは新たなやりがいになるのではないでしょうか。
ただ、自分のペースで自分の好きなようにガツガツ歩く登山をしている人などはサポート役には適していないかもしれません。リードするのが得意な人、人とのコミュニケーションが好きな人などは適しているように思います。
会によっては体験会やサポート講習会などが開催されています。例えば東京都の「六つ星山の会」は4月に講習会が開かれ、講習会に参加できなくてもお試し山行でベテランの視覚障害者と組むように班分けしてもらえます。
実際の登山で障害者をどうサポートするのかは、NPO法人・山仲間アルプのページに詳しく記載されています。
■NPO法人・山仲間アルプ「障害者登山サポート方法」
http://www.npoalp.com/support/support01.htm
【若い人の参加が可能なら、こういう募集もいいのでは】
もし私が団体サイドの人間だったら、山好きの大学生の人向けにサポート募集をかける事を検討すると思います。「就活の際のES(エントリーシート)や自己PRにお役立てください」の一文をさりげなく入れて。
参加動機にちょっと下心があったとしても、団体はサポーターの人手不足が解消され、サポーターの人数不足が原因で参加できなかった人も登山を楽しめる。関わった人全員がプラスになります。
私は20代前半の頃、60代の人の仕事のサポートをボランティアでしていました。金銭は一切頂かなかったのですが、年配の人の考え方や人との接し方はとても勉強になり、その後の人生の礎となりました。若者がサポート登山をすることで、人生において大切なものを学べる可能性もあるんじゃないかと思います。
【全国の視覚障害者サポート登山団体】
全国のサポート登山団体をリスト化しました。
(※順不同、2018年の活動記録が無いページは掲載を見送っています)
●関東
六つ星山の会(東京都)
東京しろうまの会(東京都)
山仲間アルプ(千葉県)
いばらき山の会(茨城県)
http://fc00050720172406.web3.blks.jp/ibayama_renewal/index.html
NPO法人モンキーマジック(東京都)
https://www.monkeymagic.or.jp/
(※フリ―クライミングがメイン)
●関西
山を楽しむネットワーク 山ネット(大阪府)
http://yamanet.sports.coocan.jp/
ハイキングクラブかざぐるま(大阪府)
http://www.normanet.ne.jp/~windmill/
●甲信越
富山三ツ星山の会(富山県)
http://www.mitsuboshi.sakura.ne.jp/index.html
新潟あいゆー山の会(新潟県)
http://myhp.joetsu.ne.jp/eyeyou/
やまぼうしの会(金沢県)
http://yamaboushinokai.sakura.ne.jp/
●中国地方
歩く会友遊(広島県)
こまくさハイキングクラブ(岡山県)
http://ww31.tiki.ne.jp/~suemi/