引用:サーモス株式会社 NEWS RELEASE「チタン製の真空断熱ボトルが約14年ぶりに進化して登場」
2021年10月1日、サーモスから「直接ハンドドリップできる細口の注ぎ口」が付いたチタン製の魔法瓶が発売されました。
14年ぶりのリニューアルとなったチタン製魔法びん
引用:サーモス株式会社 NEWS RELEASE「チタン製の真空断熱ボトルが約14年ぶりに進化して登場」
1988年に世界で初めてチタン製の真空断熱ボトルを発売したサーモス。何度かのモデルチェンジを経て、14年ぶりにリニューアルしました。
前モデルに比べて50gの大幅な軽量化に成功。技術力の高さが伺えます。
山専用ボトルとの違い・性能差は?
THERMOS(サーモス)
山専用ボトル FFX-751
登山用の魔法瓶として有能な「山専用ボトル」。耐久性と保温性に優れ、朝に自宅で入れた熱湯が昼になってもアツアツ、再加熱せずにそのままコーヒーやラーメンを作れます。
今回発売された新型チタンボトルとの違いを調べてみました。
引用:サーモス株式会社 NEWS RELEASE「チタン製の真空断熱ボトルが約14年ぶりに進化して登場」
・重さは同容量サイズならチタンボトルの方が70g軽い。
・保温性能は山専用が6時間後77℃以上、チタンは69℃以上で8度ぬるくなる。
・保冷性能は山専用が6時間後10℃以下、チタンも10℃以下で保冷能力は同じ。
・本体寸法は山専用が7×7×23.5cmで、チタンは6.5×6.5×23.5cmでチタンが少し細い。
・チタンは注ぎ口が2つあり「細口」での注湯が可能。
・山専用はダブルスクリュー栓、チタンは旧山専用のようなシンプル栓。山から下りた時の気圧差で開きにくくなるかも。
・山専用は蓋コップに引っ掛かりがあるので厚いグローブをしていても扱いやすい。チタンは蓋コップに引っ掛かりが無いので滑りやすいかも。
・山専用には滑り止めのゴムリングあり。チタンはゴムリングが無いので手からすべり落とすかも。
・見た目は山専用はゴテゴテしているけどチタンはシンプルで高級感があるデザイン。
・価格は山専用が6050円、チタンが14300円で約2.3倍の値段。
【動画あり】コーヒードリップポット仕様の「細口」の注ぎ口
引用:サーモス株式会社 NEWS RELEASE「チタン製の真空断熱ボトルが約14年ぶりに進化して登場」
注目の、細口仕様の注ぎ口。とりあえず動画に撮りましたのでご確認ください。(※無音です)
パール金属
ベジクラ 変身ドリップケトル C-9128
6時間後の保温性能について(追記:3時間後の湯温)
チタンボトルに熱湯を入れて、中を温めて一旦湯を捨て、再び満タンまで熱湯を注入して、6時間後に温度を測定しました。
山専用ボトルは83℃前後だったので、やはり保温性能については少し低くなっています。
深煎りの豆でコーヒーを淹れるなら湯音としては良い感じの範囲内の温度だと思います。(※美味しさには個人差があります)
また、カップラーメンについては78度で3分は麺がまだ固い可能性があります。もう少し長めに待つとちょうど良くなると思います。
追記:3時間後の湯温について
熱湯を入れて3時間後の湯温は87.5度でした。(室温23℃前後)
ただ、自宅で熱湯を入れて3時間後は「登山口に到着した」くらいの時刻です。
テント泊で朝に湯沸かしをして魔法瓶で持ち運ぶのなら山コーヒーとしては使えるのですが。
【個人的総評】一長一短ある魔法瓶、登山用は山専用がおすすめ
まだ検証は十分にやっていませんが、今のところ「チタンボトルは登山向けか?」というと、登山でも使えるけど街使用がメインかなと思います。グローブ装着時の取り回し、気圧差が生じても蓋を開けやすいなどは山専用ボトルに軍配が上がります。
そしてコーヒー登山をやる人間にとっては、コーヒーを淹れるために再加熱が必要なケースが多いのが懸念点です。細口の注ぎ口でハンドドリップは可能ですが、バーナーなどで再加熱をする時に湯沸かし用でケトルなどを使うので、それでドリップすればOK。こうなると「コーヒードリップ用」というメリットは「自宅でお湯を入れてから3時間以内」などの状況に限定されます。
ただ、保冷力は山専用と同等なので冷たい飲料を入れる夏登山には重宝します。また、見た目のシンプルさと美しさ、「サーモスのチタン」という品格・所有する満足感もあります。そういった長所短所を踏まえたうえで、チタン好きの人なら買って損はないアイテムだと思います。
THERMOS(サーモス)
真空断熱チタンボトル FJN-500T
THERMOS(サーモス)
山専用ボトルFFXシリーズ