従来通りに墓石を買うのではなく、樹を植えてその下に埋葬してもらい、自然と一体になる。そんな「樹木葬(じゅもくそう)」がアウトドア派の人の注目を惹きつけています。
私自身、やたらと値段の高い墓石を買ったり不透明な金額設定の管理費などに若干の疑問を抱いています。そういった人たちにとっても明瞭会計の樹木葬は人気のようです。
ちなみに日本で初めて樹木葬を行ったのは1999年の知勝院(岩手県)。それから15年近くが経ち、多くのお寺・業者が樹木葬を始めました。樹木葬のメリットとデメリットはどうなのか、また関西での樹木葬の料金はどんな感じなのかを調べてみました。
(※2016年7月調べ)
【樹木葬と従来の墓石葬の比較、メリットとデメリット】
樹木葬といっても、運営する団体によって様々なルールがあり、料金も異なります。サービスの内容で料金は変わるのですが、従来型と樹木葬をざっくりと比較するとこんな感じです。
・墓石の価格は平均150万円、樹なら10万円から80万円。
・基本的に寺院墓地(墓石)は家族が管理するが、樹木葬は業者が管理。
・樹木葬は一定の期間が過ぎれば遺骨は合葬されるケースが多い。
・樹木葬は1本の樹を複数の故人で共有するプランもある。
・墓石は破損の心配がすくないが、樹は病気で枯れる事や台風で折れる可能性があり耐久性に不安がある。
・平均の合計金額は、一般的な墓地が約200万円(プラス維持費が年15000円)、樹木葬は約50万円(維持費は約10000円)。
【大阪府内の樹木葬の料金比較】
大阪府内の樹木葬の料金・合同慰霊墓に移されるまでの期間を調べてみました。全体的に、従来型の墓石葬の平均価格200万に比べれば割安でした。
■信貴霊苑(大阪府八尾市)
永年25万円~、桜の木は永年30万円~
http://www.shigireien.com/pub/about/shizen.html
■パークフォレスト堺
13年41万円、13年60万円
■桜葬(大阪府高槻市)
44万2千円~ ※区画ごとでシンボルツリーを合同共有
■北摂・池田メモリアルパーク(大阪府池田市)
13年50万円~130万円
http://www.yasiro.jp/sakura.html
■明治の森霊園(大阪府箕面市・茨木市)
10年70万円、50年94万円
http://meijinomori.ohnoya.co.jp/
■美原東ロイヤルメモリアルパーク(大阪府羽曳野市)
永年130万円
http://www.e-mihara.com/eitai/sakura.html
【多くの樹木葬はずっと木の下に眠る訳ではない】
基本的に10数年経てば合同供養塔に移動させられる樹木葬が多いようです。延長は可能で50年くらい管理してくれますがコストがそのぶん上がります。ずっと樹の下で眠るものだと思っていたのですが、違うんですね。ビジネスライクに考えると、13年スパンの回転率でお墓の土地を活用できるのでこれだけの低価格なんだなと思いました。
なお永代供養の「永代」という言葉にも注意が必要です。色んな解釈があるようで、「住職が生きている間」や「30年間」、「故人を含めて3代まで」など色んな永代ケースがあります。いつまでを「永代」としているのか、契約書をしっかり確認しておく必要があります。
あと、1人1本で樹が植えられると思いきや、シンボルツリーを合同で共有するケースも多いようです。墓参りの時に故人の桜の木の下で家族でお弁当を食べたりする事ができたら素敵だなと思っていたのですが、そういう感じではないみたいですね。
今回樹木葬の事を調べて、アウトドア派が求める「自然と一体になる」とは微妙に意味合いが違うケースが多いんだなという印象を感じました。もしかしたら樹木葬ではなく「散骨」の方が、山好きの求める理想の終わり方に近いのかもしれません。散骨については法律面などがちょっとややこしいので、また別記事にまとめたいと思います。
以上、大阪府内の樹木葬の料金比較でした。ご参考にして頂ければ幸いです。