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砥峰高原山焼きが山火事のニュース

先月末、兵庫県のススキの名所・砥峰高原(とのみねこうげん)で山火事が発生しました。登山者の携帯用ガスストーブの火がススキに燃え移ったのが事故原因のようです。

 28日午後1時ごろ、兵庫県神河町の砥峰高原(標高約900メートル)で、「ススキ原から出火し、燃え広がっている」と119番があった。同高原のススキ原(約90ヘクタール)の一部約300平方メートルが燃え、約1時間半後に消し止められた。けが人はなかった。
 
 同高原では、同日午後2時から山焼きイベントが予定されていたが急遽(きゅうきょ)中止になった。
 
 兵庫県警福崎署によると、山焼きを見物に来た70代の男性2人が、ススキ原の中でコーヒーをいれようと簡易型ガスコンロに火をつけたところ、ススキに燃え移ったという。同署は軽犯罪法違反容疑で2人から任意で事情を聴いている。

(産経新聞記事より引用)

山でのガスストーブが規制される流れになりそうで怖いですね。今回は火気厳禁の場所、しかもススキ原の中というとんでもない場所でガスバーナーを使っていたので、使用者のモラルにかなり問題があったと思われます。(こんろ使用中に目を離していたそうですし) 

多くのハイカーは火の取り扱いに十分注意しているので、同じように思われたくはないのですが…。登山をした事ない人やガスストーブを持っていない人は「何でわざわざそんな事を、店や自販機でコーヒー買えばいいのに」と思っていると思います。残念です。


【簡易型ガスコンロ・登山用ガスバーナーはどのくらい危険なのか?】

基本的に国内で販売されている登山用携帯ガスこんろは、非常に高性能で安全です。特に「ガス」のストーブは力強くも小さな炎を安定して燃焼してくれるので、火の粉が飛ぶような作りにはなっていません。むしろどうやって山火事を発生させたのか考えられないくらい、安全設計なんです。

砥峰高原山火事の記事

登山用のコンロ(ストーブ)には、ガソリンを燃料にしたガソリンストーブや、燃料用アルコールを使うアルコールストーブ、小枝や木片を使う焚き火型ストーブなどがあります。これらは扱い方が下手だと燃え移る可能性が多少なりともあります。

ですがガス缶を使うタイプのガスストーブは、缶が爆発するか、本体を横倒しにしない限り燃え広がりません。おそらく、ガスストーブから目を離した隙にススキが風に乗って飛んできて、燃焼中のストーブに巻きついて出火、という流れなのではと推測できます。

それでも、「燃焼中のガスストーブから目を離していた」「火気厳禁の場所で火器を使用した」のは、大きなミスです。けが人が出なかったのは救いですが、山焼きイベントは中止になり、砥峰高原の主催者側は損害をこうむる事になりました。

このブログをご覧頂いている方の中にはガスストーブユーザーの方も多いと思います。今回の事故を教訓に、火の取り扱いにはいっそう慎重になりたいものです。


【もし山火事を起こした場合の罪の重さは? 軽犯罪法違反と森林法違反】

今回の山火事で、男性2名には「軽犯罪法容疑」がかけられました。軽犯罪法とはどのような法律なのでしょうか。

● 軽犯罪法

さまざまな軽微な秩序違反行為に対して拘留、科料の刑を定める日本の法律。騒音、虚偽申告、乞食、のぞきなど33の行為が罪として定められる。拘留は1日以上30日未満の刑事施設への拘置、科料は1000円以上1万円未満の罰金。

今回は第一条9の「相当の注意をしないで、建物、森林その他燃えるような物の附近で火をたき、又はガソリンその他引火し易い物の附近で火気を用いた者」に該当するようです。

なお、過失による山火事は「森林法違反」となり、法定刑は罰金50万円以下です。(過失とは、結果の回避が可能だったにもかかわらず回避するための行為を怠ったことを指します)

山焼きイベントなので消防車の到着も早く、ボヤで済んだのが救いだったとは思います。ただし今後、イベントを台無しにされた主催者側が損害賠償を訴える可能性もあります。


【そもそも山頂や高原は火気厳禁?火器は使用できるの?】


山頂火気厳禁の看板

基本的には「火気厳禁」の看板がある場所はバーナーは使用禁止です。

富士山や吉野・熊野などの国定公園では「焚き火・火入れ」が禁止されています(自然保護法 第21条)。ただ「直火」は駄目なのですが、ガスバーナーなどの「個人用火器」の使用は法律で禁止されているわけではありません。

なので法律的には、富士山や自然公園でガスバーナーを使用しても大丈夫と考えられます。ただ、今後大きな火災事故が遭った場合は法改正が検討されて規制が入る可能性はあります。

他には、山頂がお寺や神社・私有地の場合は、火気厳禁の看板が無くても、火器を使うのは控えるのがマナーだと考えられます。


【山火事ニュースを受けて、今後の注意点や対策まとめ】

登山での火器使用者への世間の風当りは強くなると思われます。使用者は、火の取り扱いは山火事の可能性が十分にある事を改めて理解し、火気禁止の場所ではマナーを守り、それ以外の場所でも燃焼器具から目を離す事のないようにしたいものです。風防などのウインドスクリーンも山火事防止・予防に一役買えると思います。


EPI(イーピーアイ) ウインドシールド(L) グリーン A-6505

また、登山に関する出版社や販売店舗・火器販売メーカーは、あらためて注意を促す記事や案内での対応を行うのが望ましいと思います。「安全には十分配慮をしている」という行動・姿勢を見せる事が重要だと考えます。

私も山で火器を使ってコーヒーを入れているので、安全対策の模範となれるよう、ブログや山コーヒー動画でしっかり取り組みたいと思います。

青山
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