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修験道の修行内容の本・書籍

 

 

嫁さんの実家でおばあさんが所有していた本をお借りしました。「大峯千日回峰行 ~修験者の荒行~」。満行されたのは塩沼亮潤さん。最近はプレゼン番組の「TED」などにも出演されていたのでご存知の方もいらっしゃると思います。

 

 

「TEDxTohoku Ryojun Shionuma」
https://youtu.be/YHzoGWjcLRg

 

大峯千日回峰行とはどのような修行なのか、どんなコースを走るのかなどを調べてみました。

 

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大峯千日回峰行とは? 修行内容について

 

 

 

「大峯千日回峰行(読み方:おおみねせんにちかいほうぎょう)」は、吉野山駅近くの金峯山寺(蔵王堂)~大峯奥崖道~山上ヶ岳の片道24km(高低差1300m)を1日で往復し、それを連日、計1000日間行うという修行です。

山を歩く期間は5月3日から9月22日までと決められていて、1000日連続で行うという事ではありません。5月3日から休むことなく4か月半の間連続で行い、9年かけて取り組みます。

千日回峰行を達成した後、9日間「ものを食べない・水を飲まない・眠らない・横にならない」という「四無行(しむぎょう)」を行い、満行となります。  

 

 

修験者にはたくさんの修行方法があるのですが、この塩沼さんが成し遂げた「大峯千日回峰行」は最上級に難易度の高い、人間の体の限界を超えた死の危険がある過酷な修行。

 

修行に失敗すれば、短刀または縄で自害するという厳しい掟もあります。気の緩みで滑落事故を起こして足を骨折するなどすれば修行は失敗。時間までに吉野の蔵王堂に戻れなければ修行失敗となります。

 

本によると、吉野の大峯では過去に失敗者はおらず、比叡山(ひえいざん)延暦寺の千日回峰行では死者が出たそうです。

 

また、9日間断食する四無行は死亡する確率が高いため、「浄斎の儀(じょうさいのぎ)」という生き葬式を事前に行います。

 

 

大峯千日回峰行の実際の登山ルート

 

引用:https://www.okimoto-guide.com/omine-okugakemichi

 

青山
こちらのサイトでは必要な装備などの紹介もされています。

大峯千日回峰行の距離とトレランレースの距離の比較

 

 

 

山道を走る、トレイルラン。日本全国でさまざまなレースが行われています。大峯千日回峰行のコースデータとトレイルランのコースデータを比べてみました。

 

● OSJおんたけスカイレース  距離37km 高低差2200m
● 大峯千日回峰行   距離48km 高低差1300m
● 六甲全山縦走大会   距離56km 累積標高差2800m
● ウルトラトレイル・マウント・フジ(UTMF)  距離156km 累積標高差8503m

 

一般的なトレイルランレースは14km~40kmあたりの距離が多く、ウルトラトレイル系は100kmを越え、フジのトレランは国内最難度。フジなどのコースに比べれば、大峯千日回峰行のルートはトレラン界ではそこそこレベルかもしれません。

 

ですがこの修行の凄い所はやはり「連日、悪天候でも休まず行う」という点。台風が来て暴風雨であっても、崖崩れがおきても、引き返す事は許されません。それでいて、毎年130日ほど48kmの道のりを連日完走する。これはトレラン大会上位者でも達成するのは難しいのではないでしょうか。

 

 

塩沼亮潤大阿闍梨の大峯千日回峰行の一日の流れと歩行速度

 

塩沼亮潤大阿闍梨のタイムスケジュール、一日の流れもまとめてみました。

 

  • 夜の23時25分に起床、滝行を行う。
  • 身支度をして山伏の姿に。時間が無いので小さなおにぎりを食べながら着替える。0時30分に吉野の蔵王堂を出発。
  • 提灯ひとつで夜の山道を歩き、往路の中間地点・百丁茶屋跡で夜明けを迎える(5時00分頃)。ここで朝食。
  • 朝8時30分頃に山上ヶ岳に到着。昼ご飯。
  • 来た道を戻り、15時30分過ぎに蔵王堂に戻る。
  • 翌日の準備や掃除・洗濯などを行い、18時30分頃に就寝。睡眠時間4~5時間。

青山
たった4~5時間の睡眠時間で連日48kmを往復するなんてすごすぎですね…。

 

コースタイムは休憩込みで往復およそ15時間。登山地図では歩行時間だけで通常往復19時間なので、速足のペースを長時間維持している計算になります。

 

歩行速度的には、朝食・昼食を30分で済ませたとして、14時間30分を48kmで割ると、時速3.31km。登りは遅くなるので、下りや平坦な道ではほぼ駆け足の状態だと思われます。

 

ちなみに六甲全山縦走大会56kmのトレランレースのトップランナーのタイムは4時間半、時速12.5kmで走っている計算ですが、これは1日勝負だからできる速度だといえます。

 

雨の日も台風の日も体調不良の日も、休まずかかさず行をつとめる。栄養失調状態でも血尿が出てもこのタイムをキープし続けるのは、やはり超人だといえます。

 

 

ぜひ読書の秋にご一読ください

 

 

「大峯千日回峰行 修験道の荒行」、修験道の世界を垣間見る事ができ、登山をしている人間として読みごたえのある内容でした。登山本が並ぶ本棚に収めたい一冊です。

 

 

大峯千日回峰行 修験道の荒行

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【追記】山伏愛用の胃腸薬「陀羅尼助丸」

 

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修験道の開祖・役行者(えんのぎょうじゃ)が広めた胃腸薬、先日ネットで買いました。山伏つながりで是非こちらの記事も合わせてお読み頂ければと思います。

 

 

青山
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