ツイッターで、南アルプスの東海フォレスト系列の山小屋のキャンセル料が高いと話題になっています。(→ツイート元)
ツアー旅行のキャンセル料が戻ってくる「Travelキャンセル保険」は山小屋にも適用できるのか、どれくらいのお金が返ってくるのかを調べてみました。
目次
東海フォレスト系の山小屋のキャンセル料が高い問題について
東海フォレストが運営されている宿泊施設は、椹島ロッヂ、山小屋(千枚小屋、荒川小屋、赤石小屋、熊の平小屋、百間洞山の家)、避難小屋(赤石岳避難小屋、中岳避難小屋、高山裏避難小屋、小河内岳避難小屋)です。
キャンセルポリシーは下記の通り。
◆お取消し料(テント泊を含むすべてのご予約に対して適用になります)
2022年度より以下のお取消し料がかかります。予めご了承ください。宿泊の2日前、前日、及び当日 宿泊代金の50%
無連絡 宿泊代金の100%
※宿泊代金とは食事を含め予約されている総額となります。

変わりやすい山岳部の天気、キャンセル料のかからない「登山日3日前」の状況ではおおまかにしか天候予測ができません。
「雨予報だったけど天候が回復して晴れた」ということは十分ありえるので、晴れる可能性に賭けたい人にとって「2日前からキャンセル料5000円~7500円」に不満を持つのもうなずけます。
キャンセル料が最大100%戻ってくる「Travelキャンセル保険」について
今、コロナ発症などでの旅行キャンセルが増えてキャンセル保険を利用する人が増加しています。
国内ツアー・日帰りツアー・国内宿泊などに対応し、状況に応じて100%~30%の補償がされるそうです。
山小屋のキャンセル料にも使えるのか、調べてみました。
登山でよくあるケースの場合の補償割合は?
キャンセル保険に加入するための保険料は宿泊・ツアー金額に比例し、宿泊料15000円だとしたら保険料は380円。
調べてみると、当日に台風で「特別警報」が出たら補償割合は100%でした。

そして新型コロナ関連では、新型コロナウイルスで陽性になったとき・濃厚接触者になったときの補償割合は30%でした。

【結論】無いよりはマシだけど保険適用・全額保証は難しそう
なお、昨日大きめの台風が日本に上陸して各地で河川の氾濫などが起こったのですが、関東・信越に発令されたのは「警報・注意報」レベルで「特別警報」ではありませんでした。
登山的には完全にアウトの台風でも、警報レベルで収まれば補償の対象外になるので保険適用はけっこう難しいかもしれません。

なのでキャンセル保険が使える可能性としては、「新型コロナに感染して登れなくなった」ケースの方が高いように思います。
このケースだと支払金額が7500円が3380円になるので一応キャンセル保険が有益になりやすいです。
今回のツイッターでの問題提起は悪天候についてだったので、結論としては「キャンセル保険は山小屋の悪天候でのキャンセルには確率的に向いていない」といえます。
山小屋のキャンセル料問題、結局のところ厳しい経営を強いられている山小屋が廃業すれば困るのは登山者側です。
キャンセル料の融通がきいたのは前時代のもので、維持支援金として気持ちよく割り切るなどの新しい時代にきているかもしれません。登山者と山小屋の両方が納得できる仕組みができればなと思います。
【Mysurance Travelキャンセル保険 案内ページ】

ヤマケイ登山学校 登山ボディ
芳須 勲 (著)