北アルプス立山連邦の名峰・薬師岳(やくしだけ)の登山口となる折立。8月9日、12日に登山口や駐車場で熊が出没し、8月13日にはクマの異常出没のため折立キャンプ場が当面閉鎖となりました。
そして8月18日、登山店の男性スタッフがザックを熊にもっていかれました。ツイートによると、トイレ前で登山靴を履いていた一瞬のスキをついて、トイレ横の藪から熊が現れてザックを持っていったそうです。(※現在当該ツイートは削除されています)
おそらく熊は「登山ザックには食料が入っている」ということを熟知していて、トイレを使う時に登山者はザックを降ろすという事にも気づいているのでしょう。トイレ利用の際は十分ご注意ください。
(追記:8月17日にも熊にザックを獲られる被害が出ていたそうです)
なお、一度「熊のもの」になったザックを取り返すのは非常に危険です。熊は自分が確保したものに異常な執着を見せる習性があり、ザックを取り返せば執拗に追跡され熊に攻撃される可能性があるので、残念ながら諦めるのが賢明です。(過去に取り返し行為が元で命を落とした事例がありました)
とはいえ、ザックの中にはレインウェアやカメラ道具・テント装備など人によっては合計金額が10万円以上になることがありますし、様々な山行で行動を共にした道具には愛着もあります。簡単には諦められません。何か良い案はないのでしょうか。
「熊が嫌うニオイ」を研究しているグループがいます
今年の6月26日、秋田県能代市の県立大木材高度加工研究所と横手市の木製品加工・販売の「ウッディさんない」が、クマが嫌がるニオイがする木製クイを開発。2021年以降の商品化を目指していると発表しました。
研究の発端は「ツキノワグマによる人や農作物への被害を防ぐ」ため。熊に対してさまざまなニオイの実験をした結果、トウガラシやミントの成分などを染み込ませたクイを畑の柵などに使ったらクマよけの効果が出たそうです。特許も取得されているのでそこそこ有用な実験データが出ているのだと思います。
この熊忌避クイで登山口やテント場・キャンプ場を囲むと、クマの行動範囲を制限することができるかもしれません。現在の価格は1本12000円ですが、量産化でコストダウンも可能。効果は2年で、効き目が薄くなったら忌避剤部分を交換できるそうです。
また、登山ザックを守る案としては、熊忌避成分入りのカプセルなどをザックにぶら下げ(あるいは食料袋に同梱)、熊が噛むと熊忌避成分が出てくる仕掛けなどにすれば、
と、熊が「ザックはマズい」と学習し、ザック被害の減少が狙えるのではないでしょうか。
もしくは熊忌避成分入りのダミーザックをテント場やキャンプ場にたくさん設置して、数年単位で根気よく取り組めば、
と、熊が登山ザックに興味を持たなくなるかもしれません。
罠などで捕まえて射殺するのが手っ取り早いのですが、野生動物のエリアに人が入り込んでいるという状況でもあるので、何かこのような熊忌避剤を活用した方法なら共存が目指せるのではないかと思います。
今年はやはり熊スプレーの携行が安全なのかもしれません
今年は全国各地のキャンプ場・山域で熊の出没があまりにも目立っています。人間との接触を恐れなくなったうえ、人間=食料の運び屋というのが熊に認知されはじめた以上、最終自衛手段となる熊撃退スプレーは持っておくべきだと思います。
熊撃退スプレーはいろいろ種類がありますが、株式会社ケイエスプロダクツのスプレーは値段もそこそこで、販売時の使用期限の管理はもちろん、使用期限が過ぎた際の無料廃棄代行サービスもあるので安心です。
私が熊出没山域に立ち入る際は、これを購入する予定です。使う機会がないことを祈りたいです。
POLICE MAGNUM(ポリスマグナム)
熊撃退スプレー B-609 ホルスター付き