先日、ツイッターで「コーヒーを飲みすぎるな、結石ができるぞ」という投稿が話題になっていました。
排尿時に痛みが走る尿路結石。コーヒーなどに含まれるシュウ酸が原因で作られるそうです。
この結石対策にはミルク入りコーヒーが良いとは知っているのですが、どのような理由で石ができ、どんな予防法が有効なのかを調べてみました。
目次
尿路結石の石の写真
まずはこちらの画像をご覧ください。激痛の元となる結石です。画像の石の大きさは5mmくらいです。
尿路結石の治療・手術方法と費用について
結石のサイズが小さければ、薬などを使って自然排石します。
大きな結石の場合、昔は開腹手術をして石を摘出していたそうですが、今は体外から衝撃波を当てて結石を割る「体外衝撃波砕石術(ESWL)」などの処置、尿道から内視鏡を入れてレーザーなどで石を砕く「経尿道的結石砕石術(TUL)」などがあります。
尿路結石ができるメカニズムと予防法について
この尿路結石、どんなメカニズムで発症するのでしょうか。
まずは原因となるシュウ酸について調べてみました。
シュウ酸(シュウさん、蓚酸、英: oxalic acid)は、構造式 HOOC–COOH で表される、もっとも単純なジカルボン酸。(中略)1776年、カール・ヴィルヘルム・シェーレによりカタバミ (oxalis) から初めて単離されたことから命名された。
命名の由来にもなったように、植物に多く含まれる。漢字の「蓚」はタデ科のスイバ(酸い葉)を意味し、また中国語でも植物由来の「草酸」の名を持つ。タデ科(他にギシギシ、イタドリなど)、カタバミ科、アカザ科(アカザ、ホウレンソウなど)の植物には水溶性シュウ酸塩(シュウ酸水素ナトリウムなど)が、サトイモ科(サトイモ、ザゼンソウ、マムシグサなど)の植物には不溶性シュウ酸塩(シュウ酸カルシウムなど)が含まれる。ヤマノイモ科の植物の根菜から作るとろろが肌に付くと痒みを生じるのは、シュウ酸カルシウムの針状結晶が肌に刺さって刺激を受ける為である。
カルシウムイオンと強く結合する性質(劇性)があり、体内に入るとアシドーシスに傾いた血液中でカルシウムと結合して結石などを生じる。このため毒物及び劇物取締法により劇物(毒物ではない)に指定されている。
シュウ酸は、食べ物のアクの素になっている成分です。カルシウムや鉄分の吸収を阻害する働きがあります。
続いて尿路結石ができるまでですが、医療法人の広報誌にわかりやすい説明がありました。
尿管など尿の通り道に石ができることを尿路結石といいます。その中でも特に日本人の場合は、シュウ酸カルシウム結石症と呼ばれるものが圧倒的に多く、シュウ酸の摂取が大きく関係しています。代表的な原因がコーヒーです。 胃の中が空っぽの状態でブラックコーヒーを飲んだ場合、 その中に含まれるシュウ酸は消化管から吸収され血液中に入ります。やがてそれは腎臓で排出されて尿路に出ます。するとシュウ酸は、そこで待ち受けていた尿中のカルシウムと結合します。 これがシュウ酸カルシウム結石の誕生です。
この広報誌には「尿路結石を防ぐコーヒーの飲み方」も掲載されていました。
まず、 砂糖が入っていようがいまいがブラックコーヒーは食後に飲むようにします。シュウ酸は胃の中の食べ物に含まれるカルシウムと結合し、シュウ酸カルシウムとなり消化管から吸収されなくなります。そしてそのまま糞便と一緒に排出されるため、シュウ酸による尿路結石のリスクは減少します。 もう一つの方法は、コーヒーにミルクを入れることです。これによりカップの中でシュウ酸カルシウムが形成され、シュウ酸は消化管から吸収されなくなります。
※ 昔は結石予防としてカルシウムの摂取を控えるように指導されていましたが、最近の研究では否定されています。
【まとめ】尿路結石はカルシウムの摂取が大事
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尿路結石の原因と対策がわかりました。私は前々から山コーヒーに練乳を推奨していて「常温保存が効いて高カロリーなので遭難時の非常食としても有効」と言っていましたが、これからは「尿路結石対策としても有効」という言葉を加えたいと思います。
ただ、「それでも山でブラックコーヒーを飲みたい」という人はいると思います。
そういう人には、山コーヒー前にカルシウムが補給できる携行食を摂取するのが良いと思います。私が食べたことあるもので美味しくて使い勝手が良かったのがこちらの2つです。
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