
世界各国でコーヒーと健康に関する様々な論文発表がされています。ですが、あのデータは実はほとんどが欧米人を対象に行ったもので、アジア人や日本人のデータではないんですよね。食習慣も生活環境も違うので信憑性としては今一つだったのですが、今年の5月に日本人のみのデータを集めた結果が日本の国立がん研究センターから公式発表されました。

引用:「コーヒー摂取と全死亡・主要死因死亡との関連について」
日本人の場合も、死亡リスクが下がっています。全く飲まない人に比べて、コーヒーを1日に3~4杯飲む人の死亡リスクは24%低い事が分かりました。
40歳から69歳の日本在住の男女約9万人を20年間追跡調査した結果との事なので、なかなか信憑性があります。
【コーヒーはどのような病気の抵抗力を上げたのか?】

引用:http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3527.html
これが死因別データです。がん死亡の危険度はコーヒーとの関連は特に無かったのですが、心疾患や脳血管疾患、呼吸器疾患については、コーヒーを飲むと危険度が低下するのが判明したそうです。
注意したいのが、5杯以上飲んでいる人は効果が減っている点。心疾患にいたっては飲まない人よりリスクが高くなっています。コーヒーを1日3~4杯にとどめる生活リズムがベストのようです。
【コーヒー成分の何が健康に効果がありそうなのか】
コーヒーはなぜ心疾患や脳血管疾患、呼吸器疾患のリスクを下げる事ができたのでしょうか。以下の成分の効果が考えられるとの事です。
・コーヒーに含まれるクロロゲン酸が血糖値を改善して血圧を調整しているため
・クロロゲン酸の抗炎症作用が働いているため
・カフェインが血管内皮の機能を改善しているため
・カフェインの気管支拡張作用が呼吸器機能を改善しているため
なお、がんの死亡リスクについては有意義なデータ差が出ませんでしたが、がんの部位別に行われた先行研究では、肝がん・膵がん・女性の大腸がんと子宮体がんのリスク低下に関連しているようです。
ですが今回のケースは他の部位のがんも総合して分析を行ったため、「全体的に考えてあまり差はない」という結果になった可能性が考えられるそうです。
【まとめ】
今回の研究結果で、一日3~4杯のコーヒー摂取は死亡リスクを低下させる事がわかりました。個人的には「コーヒーを毎日3~4杯飲むような人は、時間と気持ちに余裕がある生活をしているので長生き」という可能性もあるのではと思っています。
ただ、クロロゲン酸やカフェイン、コーヒーポリフェノールの効果ももちろんあると思います。これらの効果に期待しながらも、コーヒーを1日5杯以上飲むようなハードな生活環境にならないように注意して、コーヒーライフを楽しむ。これが、死亡リスクの低減・長生きに繋がるんだろうなと思います。