昨年は登山界で熊被害が頻発する1年になりました。クマが人里やキャンプ場にやってきたのは山のドングリなどが不作だったのが主な原因だと思っていたのですが、こちらの記事によるとそれだけではなかったようです。
■なぜクマが大量出没するようになったのか? 「エサ不足」ではない本当の理由【YAHOO!ニュース】
https://news.yahoo.co.jp/articles/1a3523256fe00dc9dd2ed640b65c9b484ca1d9eb
ブナ類の不作は大量出没の一因ではありますが、すべてではない。08年にも、ブナの大凶作によるクマの大量出没を森林総研が予測しましたが、結果は平穏でした。(中略)
かつては集落に近い里山は、炭焼きや草刈り場として人間の手が頻繁に入っていました。だからクマたちは、その奥にある奥山にしかいませんでした。ところが平成になって里山を管理する人が減り、里山が奥山のように繁茂すると、そこに若いクマやメスのクマ、親子グマ、が居つき始めたのです(中略)
実はクマにとって最大の敵は、クマです。奥山には大きくて強いオスのクマがいますから、それを避けるために、彼らは里山へと逃げてきたのです。
里山を管理していた層の減少が主な原因のようです。
ということは、高齢化などによるこれからの里山管理放棄の増加で、今後ますます熊は活動範囲を広げていくと考えられます。
これからのクマは人を襲う個体が増える可能性があるようです。
また、記事内では「熊の気質変化」にも触れています。
「里山にはシカやイノシシ、サルなども侵入していますが、クマがこれらを捕食し、肉食の傾向が強まっている。(中略)近年、クマがシカを襲撃している様子なども撮影されています」
(中略)人間との接触の機会が増えることで、とくに若いクマは人間を恐れなくなるという。「里山では若いクマたちが密に棲息して、互いにエサをめぐり、常に葛藤している状態です。
だから人間と接触しても、これをライバルのクマと見立てて攻撃、排除に及ぶ可能性が高い。
以前より「熊鈴が効かない」という話をネット上で見かけることが多くなったような気がします。5年前の2016年の段階で、産経新聞の記事に「新世代クマ」登場について触れています。
音に敏感で、人の気配を感じると隠れてしまう。山歩きをする人が鈴を身に着けるのはこのためだが、最近は変化が出ている。(中略)
ハンターの減少などで人間の怖さを知らず、人を見ても逃げ出さない新世代のツキノワグマが、ここ10年ほどで増えている
クマは臆病で人との接触を避けるもの――。そういうこれまでの常識は、新世代クマには通用しないかもしれません。
ハンター(狩猟免許所持者)の推移について
クマが人を怖いと思うためのひとつの手段としてハンターの活動があるかと思うのですが、ハンターの数の推移は現在どうなっているのでしょうか。
環境省の2016年までのデータでは、2000年頃からは横ばいです。
ただ、「猟銃」の免許所持者だけで絞り込むと、話は変わってきます。
第一種銃猟(散弾銃・ライフル銃)の免許を持っている人は10年前の2006年に比べて44100人も減少。
2008年に施行された猟銃所持の規制強化などの影響で新規ハンター増加が難しくなっているのが原因のひとつのようです。
対して、わな猟は58600人増加しています。クマが入るサイズの金網オリの箱罠もあるので、箱罠での捕獲で熊の減少を狙えるかもしれません。
熊スプレーの普及でクマの気質を変えるという提案
引用:https://www.counterassault.com/bear-spray/
熊が人を恐れなくなってしまった場合、自衛手段として熊撃退スプレーが必須になると思われます。
熊スプレーが登山者の必須アイテムとなり、登山者が熊と出くわすたびに積極的にスプレーを撃つことで「人間に会うとトウガラシスプレーでさんざんな目にあう」と熊が学習して人間を避けるようになるかもしれません。
なお、昨年の熊出没ニュースの影響で熊スプレーが一時的に品切れ・入荷待ちとなりました。(現在は再販が始まっています)
里山の管理放棄が原因なら、今年も熊の出没件数は多くなると思われます。
下記スプレーの有効期限は2~3年以上ありますので、熊がいる山域をよく歩く人は在庫のあるうちに入手しておくことをおすすめします。
POLICE MAGNUM(ポリスマグナム)
熊撃退スプレー ホルスター付 本州ツキノワグマ用
UDAP
熊撃退スプレー ホルスター付 北海道ヒグマ用