
登山の熊対策グッズで、「熊撃退ポール」が注目されています。
製造者が実際に山で熊に襲われたときに、「長い木の棒」が熊を追い払うのに役に立ったことから開発されました。
どのようなポールなのか、種類ごとにどんな特徴があるのか、別の何かで代用できるのかなどを調べてみました。
目次
山菜取りポール・熊撃退の性能について
熊撃退ポールについては、Yahoo!ニュースの記事にもなっています。
●【Yahoo!ニュース】クマに襲われ木の棒で命拾いした男性、開発した「クマ撃退用ポール」に注文殺到…青森県警も導入
https://news.yahoo.co.jp/articles/d63f521c76914bb874da91f5010e80c23cc652b8

熊撃退ポールの特徴はこんな感じです。なかなか有用性が高いです。
- ポール全長は約1.6mで熊との距離を確保。近づかせない防御・牽制用
- 開発者本人による実体験ベースの商品で致命傷回避が目的
- 熊スプレーは射撃体勢になるまで時間がかかるが、熊撃退ポールを杖がわりにしていれば0.5秒で熊の牽制に使える
- 熊スプレーと違って風の影響を受けない、誤射・暴発の危険性が無い
- 先端の槍部分は15cm未満なので銃刀法違反にならない
- クマと格闘しても曲がらない強度で製造
- 草むら越しの警戒にも使える
熊撃退ポールは実際に青森県警が装備品として導入していて、すでに800本以上を販売しているそうです。
熊撃退ポールのデメリットと注意点について
熊撃退ポールを登山で使う場合、発生するデメリットについて考えてみました。
長さがあるので携行しにくい
熊と距離を取るための棒なので、長さは160~170cm。しかも強度を高めるために長さ調整・伸縮機能はありません。
引用:【amazon】レキ(LEKI) マカル― FXカーボンAS
一般的なトレッキングポールのようにコンパクトに畳んでザックに取り付け・収納することができないので、両手を使う岩場歩きでは危険度が高まる可能性があります。

登山ザックに縦に取り付けてアンテナのように突き出た形なら両手が開きますが、枝などへの引っ掛かりが懸念されます。
どうしても長さが気になるという人は、「熊対策ポール ハイカーズ」モデルも選択肢としてあります。
ハイカーズは長さ115cm~135cmで取り回しやすいサイズに調整されています。
重さで腕に負担がかかる
熊撃退ポールは男性向けの170cmサイズが約530g、女性向けの160cmサイズが約510g。
引用:【amazon】キャプテンスタッグ トレッキングポール
一般的なトレッキングポールのシングル(片手)タイプで約320gなので、200gの重量増加となります。

ちなみに富士山登山の木製金剛杖は500~800gくらい。熊撃退ポールの方が若干軽いですが、長距離縦走などでは腕や手首の疲労感が高まってくると思われます。
なお、実際に熊撃退ポールを買って山で使っている人の感想レビューはまだ見当たりませんでした。
ユーザーの口コミが増えてくれば、信頼性がさらに高まるのではないかと思います。
熊撃退ポールの種類の違いと価格について

引用:原生林の熊公房
熊撃退ポールには「従来モデル」「ハイグレードモデル」「プロモデル」「ハイカーズ」の4種類があり、カスタムも可能です。
原生林の熊公房
熊撃退ポール 従来モデル
長さ:170cm 重さ:655g
価格:14,000円

ベーシックな機能で、先端カバー付き。ちょっと重く、石突なし。
原生林の熊公房
熊撃退ポール ハイグレードモデル
長さ:170cm/160cm 重さ:510g/530g
価格:18,800円

アルミ合金で軽量化され、刃先が錆びないステンレス製に。160cmサイズあり。
原生林の熊公房
熊撃退ポール エクストリームモデル
長さ:170cm/160cm 重さ:560g/540g
価格:25,000円

ポールの末端にアルミ製石突を追加。スノーバスケットの取り付け可能に。
原生林の熊公房
熊撃退ポール プロモデル
長さ:170cm/160cm 重さ:550g
価格:26,000円

刃先がピンクになり視認性向上。刃先は「熊谷鍛冶屋」が鍛造したもので、再加工修理が容易。
原生林の熊公房
熊撃退ポール ハイカーズガード刃 -YAIBA-
長さ:115cm / 125cm / 135cm 重さ:500g(125cm)
価格:25,000円

登山時にかさばる問題を解決するための、長さを短くしたモデル。
熊撃退ポールの代用品について
熊撃退ポール、別のアイテムで代用できないかを考えてみました。
山伏の必需品「錫杖」

古来から、修験道の山伏は錫杖(しゃくじょう)を手にして山に入っていました。よくよく考えると、熊対策として理にかなっている道具です。
- 金属の輪がガシャガシャ鳴ることで人間の接近を知らせる
- 身長くらいの長さがある固い棒なので、熊や獣への牽制に使える
これに加え、山道での体重支持・滑落防止・渡渉補助も可能。万能なトレッキングポールだといえます。
ごくらくや
ロング真鍮錫杖(タモ材)150cm
価格:19,800円
重さ:約700g

こちらは実際に巡礼用として使われている錫杖。120cmサイズもあります。
棒術で使用する「六尺棒」
ISAMI(イサミ)
TBO-3 赤樫六尺棒
価格:6,270円(+送料3,200円)
長さ:約180cm
重さ:約1.5kg
棒術で使う六尺棒(ろくしゃくぼう)も熊対策に使えそうだなと思いましたが、1.5kgはかなり重いです。

樫の木なので頑丈なのですが、重すぎなので登山で長時間携帯するのには不向きです。
木の棒をカットして自作DIY
安さを追求するなら、木の棒を好みの長さにカットしてDIYするのがお手頃です。
okamoku
南洋材丸棒 直径32mm 長さ1820mm
価格:2,120円+送料2,200円
重さ:推定800g(150cmにカット時)
熊撃退ポールの製作者がクマに襲われたときの動画では普通の木の棒を突いて追い返していたので、ステンレスではない木の棒でも撃退は可能だと考えられます。
「南洋材」は東南アジア原産の広葉樹の総称で、杉よりも高い強度と耐久性を持っています。直径32mmあれば折れにくいので護身用として使えます。
なお、上記リンクの楽天ショップ・okamokuさんは直線カット無料サービス。182cmの棒を好きな長さにカットしてくれます。
KG-320 ゴム底脚 32mm丸

とりあえずの木の棒なので、石突装着、ラケットのグリップ巻き、鈴の取り付けなどのカスタムも気軽にできます。
実際に長い棒を持って登山をするとどうなるのかが試せるので、まずは木の棒から始めるのもいいかもしれません。
【まとめ】今後のバージョンアップに期待
それにしても熊出没のニュースが増えすぎているように思います。
修験道の山伏を見習って、長い棒を携行するのがこれからの登山の当たり前になるのではないでしょうか。
前々から頑丈なトレッキングポールがあればいいのにとは思っていました。
私の希望は、「頑丈なステンレス製・伸縮長さ調整が可能・石突付き・グリップ部に鈴が取り付けられる」性能をもったトレッキングポール。
原生林の熊公房さんか、トレッキングポールメーカーのシナノさんあたりなどが作ってくれたらいいなと思います。
原生林の熊公房
熊撃退ポール 従来モデル
原生林の熊公房
熊撃退ポール プロモデル
ごくらくや
ロング真鍮錫杖(タモ材)150cm
okamoku
南洋材丸棒 直径32mm 長さ1820mm
KG-320 ゴム底脚 32mm丸















