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この夏に富士山で落石死亡事故が発生しました。「落石」は登山で非常に発生しやすい事案です。もし私自身が落石を発生させて、別の登山者を怪我させたらどうなるのか――。どういう状況で責任が発生するのかを知りたくて「山岳事故の法的責任~登山の指針と紛争予防のために~」という本を買いました。

 

筆者の溝手さんは東大法学部卒の弁護士であり国立登山研修所の専門調査委員、日本山岳サーチ・アンド・レスキュー研究機構理事などを務めていらっしゃる「山の法律」の専門家。

 

本を開くと、法律に関する専門書だけに文字がびっしり。インスタ漫画が好きで活字が苦手な妻は最初のページでギブアップしました。私も苦戦しながら読み進めたのですが、ひとまず「落石を発生させた場合の法的責任」についてだけを何となくわかるよう、簡単にお伝えしたいと思います。詳細については書籍をお求め下さい。

 

 

山岳事故の法的責任
登山の指針と紛争予防のために

溝手 康史 (著)

【amazonで探す】

 

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故意(わざと)でなければ基本的に責任は発生しない

 

 

 

結果を先にお伝えしますと、書籍では落石を発生させて第三者を怪我させても法的責任は発生しない可能性が高いとしています。

 

その理由としては「登山で落石はよくあること」という承認された危険の範囲内にあるから。そのため「山は危険な場所だ」ということを登山者が理解して、崖上のパーティーが登り切るのを確認してから登ったり、ヘルメットを被っておくなど、落石が発生しても被害にあわないような対処が必要になるようです。

 

ただし例外はいくつかあり、例えば「冗談のつもりでわざと石を落とした」などは過失となるため法的責任が生じます。また、登山イベントを立ち上げて参加者を引率する場合、参加者の安全を守る注意義務が発生します。登山道の落石情報の確認を怠っていた場合は責任を問われる可能性はあります。

 

なお、友人間であれば「準委任責任」となり原則として安全確保義務は生じません。ただ、登山技術に大きなレベル差があり「俺が山に連れて行ってやるよ」などと言った場合は責任が発生する可能性があります。

 

 

怪我・死亡させたら損害賠償はいくらになるのか?

 

 

 

もし、責任が発生して損害賠償を払うことになってしまったら。具体的な損害賠償額に関しては本の中に記述はありませんでした。インターネットで調べると、死亡事故で6000万円~9000万円の損害賠償額の事例が見つかりました。

 

登山中の軽度の怪我の慰謝料に関しては見つかりませんでした。交通事故による怪我・死亡事故の慰謝料を算出できるサイトがあり、軽度の怪我なら慰謝料は1万~5万円です。(※相手の怪我の具合や年収・年齢などで金額は変動します)

 

青山
交通事故は「承認された危険の範囲内」である登山とは事情が異なるのですが、ひとつの参考にはなるかと思います。

 

 

【参考サイト】交通事故弁護士ナビ 交通事故慰謝料の自動計算機

https://jico-pro.com/isharyo/calculator/

 

 

個人賠償責任があるおすすめの山岳保険は?

 

 

落石についての責任ですが、あくまで「責任が発生しない可能性が高い」であり、細かな状況によっては責任が発生したり、示談金が必要になることもあると思います。結論としては、山に行くなら個人賠償付きの山岳保険に入っておくべきだなと感じました。示談交渉サービス付きで個人賠償1億の山岳保険への加入が最適解かなと思います。

 

示談交渉サービス&個人賠償額1億円以上で価格的にお手頃だったのは「やまきふワンタイム」でした。年間で数回しか山に行かない人におすすめの保険で、日帰りで660円です。

 

 

●やまきふ共済会「やまきふワンタイム」

https://www.yamakifu.or.jp/course/member?type=onetime

保険料:日帰り660円/1泊2日990円/3泊4日まで1600円
賠償責任:1億円(示談交渉サービス付き
救援者費用:100万円
死亡保険金:50万円
他、手術保険金など
備考:富士登山限定の「ふじさん共済」(660円)有り

https://www.yamakifu.or.jp/course/member?type=fuji

 

 

日帰り登山を年間12回以上するなら、年7500円のやまきふプラスの方がお得になります。賠償額は3倍の3億円、救援者費用は5倍の500万円です。

 

 

●やまきふ共済会「やまきふプラス」

https://www.yamakifu.or.jp/course/member?type=plus

保険料:年会費7500円
賠償責任:3億円(示談交渉サービス付き
救援者費用:500万円
死亡保険金:50万円
他、手術保険金など

 

 

なお、モンベル会員(年会費1500円)なら「モンベル野あそび保険」が250円で一番安いです。

 

 

●montbell(モンベル)「モンベル野あそび保険」

http://hoken.montbell.jp/aigshort/activity.php

保険料:250円(1泊2日まで)
賠償責任:1億円(保険会社が折衝・示談・調停・訴訟手続を行う
救援者費用:300万円
死亡保険金:290.8万円
他、手術保険金など
備考:モンベル会員(年会費1500円)限定

 

 

山岳事故の法的責任、勉強になる本でした

 

 

書籍には、ツアー登山や山岳会、友人との登山や学校登山・子供会ハイキングでの事故判例、免責同意書の無効性と効用などが記されています。

 

だいぶ前に、私あてに山コーヒーのイベント依頼があったのですが、何かあった時の責任問題に不安を感じてお話を断りました。今回この本を読み、やはり有料の登山イベント企画はリスクが高すぎるのだとわかりました。お話を断ってよかったです。

 

字が多くて読み進めるのに気合と集中力が要りますが、非常にためになる本でした。気になった方はお求め頂ければと思います。

 

 

山岳事故の法的責任
登山の指針と紛争予防のために
溝手康史 (著)

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青山
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