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先日、鳥取の日本百名山・大山(だいせん)で初めてダブルトレッキングポールを使いました。端的に言ってすごく良かったです。もうT型1本には戻れません。

 

 

 

標高1729mの大山は登山口からの累積標高差が約1000m。下山時は長い下りが続きます。通常なら膝が痛む状況だったのですが、膝痛が発生しないまま無事下山。トレッキングポールは1本で十分と思っていましたが、膝痛持ちにはI字2本が必須だと感じました

 

 

 

T字のトレッキングポールを使い続けて5年以上。個人的に感じた1本と2本の違いなどを細かくリポートしたいと思います。

 

 

 

 

 

 


 

 【トレッキングポール1本と2本との違い、メリットとデメリット】

 

 

 

 

私が感じたT字の1本トレッキングポールの主なメリットは、軽量・取り回しが楽・価格が安いの3点。

 

 

 

2本組みだと重さ400~600gありますが、1本なら300g前後で済みます。また、片手が自由に使えるのでとっさの時に枝を掴んだり岩壁のとっかかりに手を掛けたりする動作が素早くでき、撮影しながらの登山でもT字1本の方が時間の短縮になります。価格も安い物なら1000円台・中価格帯で5000円前後くらいなので、置き忘れによる紛失やポールが破損しても金額的被害が少なくすみます。他には、グリップがT字型なので枝などに引っ掛けられる、背中が掻けるなどのメリットもあります。
 

 

 

デメリットは、膝痛対策としては不十分・上半身の安定性がそこそこ・折りたたみ時の長さがある、の3点。

 

 

 

ステッキ1本でも膝痛対策にはなりますが、両手2本に比べると補助する力が弱いです。また、片方の足ばかりを補助すると体のバランスが崩れ、上半身が傾きやすくなり疲れやすくなります。ポール収納時の長さも、T字ポールにはZ型に折りたためるタイプが無く、折りたたみ時の長さが60cm前後でやや長くなります。

 

 

 

 

 

 

I字の2本トレッキングポールの主なメリットは、膝痛の激減・脚の疲労緩和・上半身が安定するので疲れにくいの3点。

 

 

 

下山時に左右2本のポールで補助したら、T字に比べて膝への衝撃は半分くらいになりました。登りの時も、先の段に左右2本を突いておいて両手の力で補助したら膝回りの筋肉消費をかなり抑えられました。脚の疲労を上半身に分散する事で膝痛の発生を大きく遅らせる事ができます。

 

 

 

登山で脚に溜まるダメージを100とすると、ポール1本使用が脚90/腕10で、ポール2本使用だと脚70/30くらいになるような疲労感でした。けっこう腕の力を多用したので翌日は上半身がかなり筋肉痛になりましたが、登山において脚の筋肉は超重要です。筋肉バテして足がつったり膝痛で歩けなくなれば遭難や滑落事故の確率が高まります。脚へのダメージをできるだけ腕に転嫁できるのは大きなメリットだと感じました。

 

 

 

また、両側に支えが生まれる事でボディバランスも安定。体が左右に傾いてもすぐに復帰できるので上半身が安定し、歩くのが楽でした。

 

 

 

デメリットは、取り回しに手間がかかる・ストラップが擦れて痛い・価格が高い、の3点。

 

 

 

I字ポールはグリップ部だけでなく手首に通すストラップもしっかりフィットさせて下方向へ押す力を安定させます。そのため、ポールを手から離すと持ち直すたびにストラップをちゃんと手首にフィットさせる動作が加わり、この回数が増えすぎるとポールを手から離すのが面倒になります。要所要所でカメラを手にして撮影したい私にとってはなかなかのストレスでした。

 

 

 

2本あるので、急斜面や岩場などでトレッキングポールを収納する時も1本に比べて倍の時間がかかります。また、ポールを立て掛ける時にT字型は柄の形状的に回転しにくく倒れにくいのですが、I型は立てかけた時にしばしば倒れていました。

 

 

 

下山時にストラップが当たる部分が擦れすぎて痛みが出たのもマイナス点でした。膝痛をカバーするために腕の力を多用する人は、グローブを着用したりテーピングをしたりprotect(プロテクト)J1などの摩擦保護クリームを塗っておいた方が良いと思います。

 

 

 

価格はポール2本分なので単純に倍近い値段になります。私が買ったLEKIのマイクロバリオカーボンASは定価21000円(税抜)。同社の1本T字のSPD2_ULマイクロASなら定価9500円(税抜)です。壊れたり紛失した時の損失も2倍になります。

 

 

 

1本2本ともにメリット・デメリットがありますが、個人的結論としては今後はできるだけダブルトレッキングポールを使っていきたいと考えています。膝痛の悪化だけは避けたいというのが一番の理由です。

 

 

 

 

 


 

 【2本組みは高価だが、今後の登山人生ための必要経費】

 

 

 

 

膝痛(変形性膝関節症)はやっかいです。一度すり減ってしまった膝の軟骨は二度と再生する事はないと言われています。年を取って高齢になっても登山を楽しみ続けるために、可能な限り膝軟骨の損傷を阻止しないといけません。

 

 

 

筋トレをして大腿四頭筋や大臀筋などを鍛えることで膝痛を予防する事ができますが、正直言って筋トレは続けるのが大変です。重い荷物を背負って長時間歩行をする登山では、それ相応の筋トレも必要だと思います。

 

 

 

ダブルトレッキングポールは買って使うだけで腕の筋肉を有効活用でき、膝軟骨がすり減るのを抑えることができます。中ランクの物で10000円前後、良い物になると15000円以上しますが、今後末永く登山を楽しむための必要経費だと思って購入するのが良いかと思います。

 

 

 

(※ 再生医療の自家培養軟骨移植は2019年現在、変形性膝関節症には非適応。人工ひざ関節の手術を行えばある程度の登山は可能。ただし費用は約10万円で、痛みに耐えてリハビリやトレーニングをする必要があり、人工関節部の寿命も短くなる)

 

 

 

 

 


 

 【高級ブランドのLEKI(レキ)は価格が高いが高性能】

 

 

 

 

私が選んだのは、トレッキングポールの最高級ブランド・LEKI(レキ)のマイクロバリオカーボンAS。トレッキングポールの最高峰クラスと呼ばれる名品です。購入の決め手は「Z型に折りたたみができる」と「アンチショック(スプリングによる衝撃吸収機能)付き」の2点。この両方の機能を備えたのがこの商品しかありませんでした。

 

 

 

1回使っただけなので感想レビューとしては弱いのですが、箇条書きすると

 

 

 

・Z型への折りたたみ変形とI型への復帰変形がものすごく早い。変形機構に感動。
・ポールの重心配分が素晴らしく、ストレスなく振れて軽く感じる。

・グリップがめちゃくちゃ握りやすい。上から押すのも安定している。

・グリップ部が長いので登りの時に長さ調節せずに持てる。

・Z型にたたむと長さは41cmに。収納袋も付いているのでポールの汚れを気にせずにザック内に入れられる。

・長さ調節のロックは簡単でスムーズ。110〜130㎝で調整可能。

・ストラップが薄いナイロン製で調整が楽。

・アンチショックはあるのか無いのかわかりにくいくらい控えめ。手首への衝撃緩和には役立っている印象。

・カーボンなので耐久性が心配。手荒に扱えないのはちょっとしたストレス。

 

 

 

現状の感想としては、総合的に見て「買って良かった!」と思えるトレッキングポールでした。前に使っていたのが格安1000円ポールだっただけに「これがLEKIか…!」と、細部へのこだわりにいちいち感動していました。

 

 

 

メリットとしては他に、良い物を使っているとワクワクして楽しくなるというのもありました。個人的にはブランド物にあまり興味はないのですが、機能美にはある程度のお金を掛けてもいいなと思っています。値段は最高峰ですが、機能と使い勝手も最高峰です。
 

 

 

膝痛持ちの方におすすめしたいポールです。悩んでいる方は「今後末永く登山を楽しむための必要経費」「人口ヒザ関節手術10万円より安い」と思って購入に踏み切って頂ければと思います。

 

 

 


LEKI(レキ)マイクロバリオカーボン AS

 

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(amazonは取り扱い無し ※2019年8月現在)

 

 


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青山
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