先日の山コーヒー登山で新しい携帯フレンチプレスを使いました。ブルーボトルコーヒーでも取り扱われているESPRO(エスプロ) のトラベルプレスです。エスプロはカナダのコーヒー・紅茶器具メーカーで、コーヒーの祭典SCAJ2017にこの商品を展示して話題を呼びました。
性能面・使いやすさ・デザイン全てにおいてこれまで使ってきた中で最高級(※注)のアウトドア向けフレンチプレスでした。商品の使い方、良い点・悪い点のレビュー、他社のフレンチプレスとの温度比較などをご紹介したいと思います。
ESPRO(エスプロ)
ステンレストラベルプレス 5012C-BS
【加筆修正:2018年12月23日】
(※注)ESPROのトラベルプレスが進化した「ESPRO ウルトラライトコーヒープレス」を購入しました。88g軽量化され、トラベルプレスの欠点が改良されています。予算に余裕のある方は新型をおすすめします。
【ESPRO(エスプロ)トラベルプレスの使い方】
まずは使い方のご紹介です。非常に簡単で、今までのコーヒープレスとだいたい同じです。まずは蓋とフィルター部分を取り出します。
このフィルターは取り外し可能な2重構造になっています。これにより、微粉の混入が激減して口当たりが非常に良くなりました。
中に15g~20gのコーヒー粉を入れます。推奨されている粒度は粗挽き。細挽きの粉を入れるとフィルターが目詰まりを起こすので注意。これは他社のフレンチプレスも同様です。
お湯を350ml注ぎます。中に「MAX COFFEE」という文字とラインが刻印されているのでそこまで注ぎます。GSIのフレンチプレスにはこの目安の線がなかったので、これは親切な設計です。
お湯を注いだらスプーンやマドラーで10回ほど混ぜ、コーヒー粉をお湯になじませます。
フィルターを本体にはめ込み、シャフトを上げたままの状態で4分ほど待ちます。
フィルターを押し下げます。この時、強い抵抗があればフィルターが目詰まりを起こしている可能性があります。そのまま強引に押し下げるとコーヒーが溢れてくるのでご注意ください。
ボトルはステンレスの真空二重構造で6時間後でも54度の熱さを維持。出来立てをボトルから直接飲むと熱すぎるのでマグカップに移しました。
ペーパーフィルターを使わないためコーヒーオイル成分も抽出され、まろやかな口当たりになります。お手頃価格のフレンチプレスにありがちな微粉の混入もかなりカットされています。
そして、個人的にうれしいのは蓋を締めるとちゃんと密閉できる点。今までのフレンチプレスマグは飲み終わった後、ボトル内部に濡れたコーヒーかすがあるので傾けたり逆さにすると中のコーヒーが漏れ出てしまっていました。ボトル内部にティッシュやトイレットペーパーを詰めてボトル全体をコンビニのナイロン袋に入れて対応していましたが、ちょっと面倒でした。
エスプロのトラベルプレスはしっかり密閉できるので、コーヒーの漏れを気にしなくていいんです。保温もきくので、作ってすぐに飲みきらなくても行動中の飲みたい時に飲むこともできます。この密閉性は非常にありがたいです。
【メリットとデメリット、良い点と悪い点(欠点)の評価】
このエスプロのトラベルプレスの使用レビューを「良い点」「悪い点/欠点」に分けて箇条書きしていきます。
■良い点
・フィルターが二重構造のため微粉の混入が少なく口当たりが良い。
・ステンレスの真空二重構造のため保温性が高い。
・デザインがシンプルでかっこいい。
・パーツが細かく分解できるので洗いやすい。
・フィルターとシャフトを外せば保温タンブラーとなる。スタバに持って行ってもおしゃれ。
・紅茶も抽出できる。
・他のアウトドアプレスに比べてボトルが細い。車のドリンクホルダーにも入る太さ。
・重さは実測で358g。そんなに気にならない重さ。
・デザインがシンプルなのでボトルに好きなステッカーなどを貼って楽しめる。
■悪い点/欠点
・フィルターが二重になったぶん洗う手間が増える。
・フィルターを引き上げる時にねじると外側のフィルターが外れやすい。
・蓋部分だけを緩めようとした時に飲み口&フィルター部分も一緒に揺るまってしまいがち。
・蓋をワンタッチで開けられないので飲むときに両手を使う。
・蓋を外したあと置き場所に困る。失くす可能性がある。
・ボトルを持った時に手袋だと滑りやすい。
・ステンレスなので中身(コーヒーの残量など)が見えない。
・GSIのコミュータージャバプレスより70gほど重い。
・amazonの商品重量204gは間違っている。
・値段は少々高い。
いくつか悪い点を挙げましたが、総合的にみると値段相応の品質で「買い」なコーヒーアイテムです。
【GSIコミュータージャバプレスとの温度比較】
これまで私が愛用していたのはGSI社のコミュータージャバプレス。フィルターの作りが良くて微粉の混入が少なく、277gと軽量で保温性もある。アウトドア向けのコーヒープレスとしてよく利用していました。
このGSIのプレスとESPROのプレス、温度変化の差はどれくらいあるのか。お湯を注いでから抽出完了となる4分後、そこから10分後、20分後で測定してみました。
(※外気温20度、室内無風)
お湯を入れてすぐの温度は96.6度です。
コーヒーが出来上がりとなる4分後の湯温は、GSIが88.1度、ESPROが91.0度でした。わずか3度差ですが、ステンレス製の差が出ています。
景色を眺めながらゆったりコーヒーを飲むと10分くらいは経過します。抽出完了から10分後の湯温は、GSIが83.2度、ESPROが89.0度でした。温度差は倍の5.8度に広がりました。
さらに10分後。GSIが78.9度、ESPROが87.5度でした。温度差は8.6度。コーヒーの飲みごろの平均温度は60℃~70℃なので、どちらのプレスも十分な性能を持っているといえます。
ESPROは長時間飲みごろをキープできる保温力、GSIはESPROより70g軽いのがメリットといえます。
【山コーヒーに最適なフレンチプレスとして使っていきたいと思います】
以上、ESPROのトラベルプレスのレビューでした。なお個人的に評価が高くなった点は、スノーピークの300サイズマグにスタッキングできるという所。ジャストサイズではまります。コーヒーアイテムはかさばりやすいので、こういった「細さ」は大きな利点となります。
おしゃれ山コーヒーに適した逸品です。ESPRO社から直接お金をもらって記事を書いた訳ではありませんが、山コーヒーアドバイザーとして強くおすすめしたいコーヒーアイテムです。定価は5940円(税込・送料別)、amazonなら送料込みで5009円(税込・2018年2月現在)です。カラーも3色あります。
【加筆修正:2018年12月23日】
当記事の冒頭に記載の通り、新型の「ESPRO ウルトラライトコーヒープレス」が個人的に至高の山コーヒープレスです。88g軽量化され、トラベルプレスの欠点が改良されています。値段が高くなりましたが、予算に余裕のある方は新型をおすすめします。
ESPRO(エスプロ)
ステンレストラベルプレス 5012C-BS
スノーピーク(snow peak)
チタンダブルマグ 300
THERMOS(サーモス)
山専用 ステンレスボトル
ポーレックス
セラミックコーヒーミル ミニ
ナルゲン-NALGENE
細口角透明ボトル125ml